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鬼才原型師・あべ♨︎とおる氏と新会社ビッグワンクラフトから見た会社設立! あべ♨︎とおるInterview

鬼才原型師・あべ♨︎とおる氏と新会社ビッグワンクラフトから見た会社設立! あべ♨︎とおるInterview

フリー原型師として八面六臂の活躍な鬼才原型師・あべ♨︎とおる氏が、2016年4月に株式会社ビッグワンクラフトをスタート! 今年1周年を迎え、新たな方向性を模索しながら新シリーズ[プリケッツ]を始動。そんなあべ氏へ改めて会社設立のきっかけから、この1年について、そして新始動した[プリケッツ]などについてのインタビューを公開! 会社設立については『キャラクターランド』(2016年4月1日発売号)掲載インタビューをキャラクターランド編集部協力のもと全文転載。そしてビッグワンクラフト1周年記念として行った『ハイパーホビーVol.3』(2017年7月6日発売号)掲載の「[プリケッツ]始動インタビュー」完全版を加えてsofvi.tokyoで公開! 「[プリケッツ]始動インタビュー」は誌面には入りきらなかった発言多数なので必読です! ビッグワンクラフトの活動を通したふたつのインタビューから、漠然としたソフビ界の側面が見えてくる……かも!? 問ビックワンクラフト http://bigonecraft.com/
■Special thanks:ハイパーホビー編集部

■PART1 鬼才原型師・あべ♨︎とおる氏が会社設立! ビッグワンクラフト始動!

――まず最初に4月よりスタートする新会社ビックワンクラフト設立の動機と経緯を教えて下さい。

会社にしたいという思いは、以前からありました。ただ、それは漠然と「将来的に出来たらいいな」というぐらいでしたね。今回、大きな転機となったのが、怪獣軒さんの存在でした。昨年、代表が体調を崩され、今後これまでのようにプロデュースをしていくことが困難だと言われたんです。これまでやってきたようなペースで発売出来るのかというと、代表は体調不良なので版権元さんとの交渉も時間がかかるということでした。その時は怪獣軒を引き継ぐ方向で話が進んでいましたが、諸事情により困難になってしまった。そこで私は怪獣軒から独立して会社を起こし、怪獣軒で原型を製作した金型は引き継着、怪獣軒は残った金型を使ってローペースで継続するということで話がまとまったんです。またほかにもうひとつ独立を後押ししてくれる某メーカーさんの存在がありました。その方が新たに別分野で事業立ち上げ、新しい人達とのお付き合いをスタートさせたんです。そんな彼が「私はこれまで事業に対して凄く手を抜いてたことが解った……。あべさんは原型師として売れ、沢山作っているので、きちんと社会人として社会に奉仕出来るような一員になった方がいい。だから会社にしたらどう?」という話をしてくれたんです。またタイミングよく昨年は、色んな版権元さんにお会いする機会があって「会社を起こしたら版権を卸していただけますか?」と尋ねたら、ほとんどの版権元さんが「あべさんが作られたモノはいつも見ています。OKですから、ぜひやってください」と快諾していただけたんです。これはメディコム・トイさんや怪獣軒さんのおかげですね。そんな怪獣軒、某メーカーさんのひと言、各版権元さんの反応という3つの状況が上手く重なったので決断したんです。

――会社になる事でどのようなメリットがあるのか教えて下さい。

メリットは、ひとつしかなくて確実に版権元から許諾をいただけるということですね。ここで勘違いして欲しくないのは、会社にしたから版権を許諾していただけるわけではありません。当たり前ですが常に実績が問われますから。例えば、ある版権元さんの作品を「ソフビ化したい」とお願いした時、問われるのは我々の実績です。会社対会社では当たり前の話ですけど、そこでどんなに「実績はないけど腕の良い原型師がいる」と説明しても版権元さんは納得しません。順番として、実力があるなら実績を積み、売り上げを出すことです。加えて間に入ってプロデュースをしてくれる人のやり易さなども踏まえて、初めて仕事になるんです。そういう意味では、メディコム・トイさんや怪獣軒さんで実績を積ませてもらったので本当にありがたかったですね。

――確かにあべさんは確実に実績を積まれてきましたね。

それはいろんなことを一生懸命やった結果ですね。これも勘違いしてもらっては困るんですが、私が作っているタイプのソフビを許可する版権元など、1部の理解のある会社以外、ほとんどありません。会社は社員さんの世代も変わるので、60年~70年代のソフビを知らない方が権利関係を担当したりします。そこへソフビ化の企画を出すと会議にかかりますが、その席上「ウチのキャラクターをレトロソフビにして何の価値がある?」と言われたらお終いなんです。そんな版権元に対して風穴を開けてくれたのがメディコム・トイさんの権利関係の担当スタッフと言っても過言ではない。現在、1番深くやりとりしてて、彼も私に対してどんどん深いところまで言ってくれるので、凄くありがたいしやり易くなってます。例えば版権元から原型の直しを受けた時、修正依頼を出すの凄く難しいと思うんです。ところが彼とは仕事で深くなっていますから「この部分は工場で修正してもらったほうがいい」と上手く振り分けてくれる。私の仕事がやり易い流れを作ってくれるんです。そんな経験も会社にすることで今後、凄く役に立つと思っています。

――次に社名のビッグワンクラフトですが、この社名にした理由は?

1番の理由は会社の所在地が東京だと「良い社名」は、全てといっていいほど使われてるんです(笑)。だから使える社名を探す所から始めました。ビックワンクラフトは、まず「1」という数字を入れたかったんです。生活の中で大事な1体、それぞれの心の中にある大きなひとつという意味で「ビッグワン」なんです。続く「クラフト」はソフビから少し離れたネーミングですよね? これは単純な理由で、今でもたまにイラストの仕事が入ってくるので「物つくり」という広い意味で「クラフト」だったんですね(笑)。

――会社として大まかでいいので今後のビジョンを教えて下さい。

頭の中には、今後2年ぐらいの事業プランがあります! ひとつは会社の柱となる商品の開発。やはり商売なので……夢のない話に聞こえるかもしれませんが、会社は利益を上げなければいけないし、それで我々も生活をしている。ほかの仕事があって、原型を作っているわけではありませんから。だから基本の大きな柱を投入しながら、その間で変わったものを出します! なぜこれが出来るのかと言うと原型師の私が会社を作るからです。ここも重要な話ですが、結構周りから「ソフビを作りたい」と言う話をいただきます。ビジョンを聞くと大抵、金型、成型、塗装ぐらいか考えていない。でもこれは違うんです。大事なのはそこからの流れで、ヘッダーやアッセンブルはどうするのか? 流通ルートは持っているのか? というお金の流れなんです。例えばヘッダーデザインをお願いしたらデザイン代。印刷するから印刷代もかかる。正直ここで原型代ぐらいの金額がかかりますからね。確かにカスタム品を高い金額で販売することは可能かもしれないけど、版権物の場合、相手も商売なので基本的に数百、数千単位の契約になります。ひとつふたつでは契約してもらえません。それを売って利益を上げていかないとけない。そこまで考えるとソフビを作りたいという気持ちだけで権利モノは出来ないという話になるんです。私の場合、原型師でヘッダーも作れるので、そこはすっ飛ばせる。つまりペイラインを通常の1/3ぐらいまでまで下げることが出来る。つまり少ない数でも利益を出すことが可能なんです。例えば「ダグラム」を作ったら、次にウチの会社では「デイジー」を作ることも可能です。いや作りませんけど(笑)。マニアックなキャラクターを沢山、投入していこうと考えています。この間、ダイナミックプロさんの新年会に伺ったんです。そこで永井豪先生にお会いしました。「[ダイナミックヒーローズ]をやらせていただいています]とご挨拶したんですね。最初、永井先生は「そうですか、頑張って下さいね」というつれない感じだったんですが、話の中流れで「法印大子(怪獣少女として発売)を作らせていただきました」と言ったら途端に「ヒャー!」ってうれしそうな表情に変わったんですね。それを見て「原作者を喜ばせるものは、ぜひやりたい!」と思いましたね。ただ現在、受けている原型も多いので「どこまで出来るか?」というのはありますけどね。

――今回の会社立ち上げは「個人活動の原型師でも出来るんだ!」という刺激になると思います。

そうだと思います。今後は原型を作る以外にも、過去に「帰ってきたウルトラマン」でやったような商品プロデュースもします。商品は作ってからお客様に届けるまでが仕事ですからね。でも例えば原型師で同じようなことをやりたいと相談されたら「やめなさい」と言いますね。何故かという原型は1体で何十万円ですから数を作ればいい。それが売れようが売れまいが、あとはメーカーさんの責任です。原型師が全てをやって利益を出せるのかというと、かなり難しいと思うからです。

――確かにそれはそうですね。あべさんの場合は、順風満帆な会社の船出のように思えますが何か課題ありますか?

販売ルートは、どうしてもひとりでは出来ない。先ほども言いましたが今後は数量を売らないといけない。企画から原型製作、商品プロデュースまでひとりでやった後、通販でお客様の住所書きとか出来るのか考えると、その余裕はないと思うんです。そこで販売では、何軒か窓口をお願いするつもりでいます。すでにお付き合いのあるはしもと玩具さんにもお願いするし、そのほかもお声がけしようと考えています。やはりコンスタントに発売していきたいですから。また売り方も「帰ってきたウルトラマン」の時みたいに、ある程度、数が見込めるモノの場合、一気ではなく、3ヶ月ぐらいに分けて少量ずつ販売しようと考えています。そうすれば今月は無理だけど、来月だったら、来月がだめでも再来月だったら! という感じでファンが購入してくれる。メディコム・トイさんみたいに1ヵ月間に渡って注文を取るシステムは、凄く優れていると思います。でも漏れる部分はどうしても出てくると思うんです。それにこれは、各ホビー誌に広告を出せて始めて成立するやり方ですから。知り合いにも言われましたが、やはり売りたければ広告するしかない。そこで考えているのは、やはり1番の広告材料は見本だと思うんです。だから取扱いショップさんには、見本を置いてもらえるようにしようと思っています。「ダグラム」のソフビで珍しくいろんな友達から「実物見たら写真と違って凄いじゃないか!?」と言われたんです。その時「ソフビを買ってもらうには現物だ」と思いました。写真でのアピールもいいですが、後で現物を見て欲しくなるファンも絶対にいると思うんです。私は小さなメーカーになるわけですから、そういうお客様はもらしたくないと思いますね。

――広い販路という部分は、各メーカーとしても課題です。それをうまくクリアできたら、ひとつのモデルケースとして刺激を与えることができますね。

そうですね。可能な限りお客様へ届けるための方法論は模索中です! もしかしたら今年一杯で潰れてしまうかもしれない。そうしないためには頑張るしかないんです。会社にしたことはゴールではなく、これが本当のスタートですから。

――力強いです! ちなみに会社を立ち上げたことによってメディコム・トイさんや怪獣少女さんとの関係に何か変化はありますか?

メディコム・トイさんとは今まで通りです。すでに今後1年以上のアイデアをもらっていますし、怪獣少女もこれまで通りです。怪獣少女については特に大きな理由があります。一般版権では監修があって、OKになったりNGになることもある。怪獣少女の当日版権で発売した[ダイナミックミニソフビシリーズ]は、表だけパッと塗るミニソフビ的な感じで作っています。そんな彩色で一般版権を考えた時、版権元が許諾してくれるのか解らない。「彩色マスクで塗ってください」と言われたら、もう対応出来ません。版権元は「キャラクターを壊さないでください」というのが前提ですから。そして我々は監修を受け、言われた通りに修正して商品化するのがお仕事です。そういう可能性もあるので、気楽に作れるお楽しみとして怪獣少女の当日版権はキープしておきたいんです(笑)。ただ当日版権もお客様に買っていただく商品なので、製作の意気込みは変わらないです。

――今回の会社として第1弾となるソフビについて教えて下さい

「ウルトラマンジョーニアス」です。以前、原型を紹介してから棚上げされていましたが、ちょうど「ジョーニアス」の発表時期に今回の独立話が出たり、仕事も詰まったりしてたからしばらく寝かせていたんです。でもここで発売出来るのは逆にタイミングとして良かったと思います。

――それでは最後に今回のあべさんの行動と今後の活動に期待する全国のファンへ一言お願いします。

基本的には今までと変わらないですが、できる限りファンが驚くようなソフビを投入出来るように頑張りたいと思います。

――期待しています。本日はありがとうございました。
(2016年2月24日/東京中野の某喫茶店にて収録)

■PART2 ビッグワンクラフト1周年を振り返る! 新シリーズ[プリケッツ]始動!! 

――ビッグワンクラフト1周年おめでとうございます。昨年4月にスタートして1年以上が経過しました。まず振り返って感想を聞かせてください。

売り上げも非常によかったですし予定通りという印象でしたね。おかげで消費税も支払わないといけないので少々頭が痛い(笑)。まあソフビの販売数については、個人の時からやってますので、ある程度を読むことは出来ましたから。

――会社にして良かったことはなんですか?

1番大きな変化は、生産を工場に全て任せられるラインを確立したことですね。おかげで昨年発売した「マジンガーZ」や「グレートマジンガー」など、注文が多かったのですが無事に対応出来ました。あとは会社として権利交渉出来ること。今は版権モノだけですが、一般企業キャラクターへプレゼンし易くなることですね。

――昨年は広い販路の開拓も目標に挙げられていました。

販路に関しては、1年間で広がるかというと、そんな簡単ではないと思っています。今は種まき時期で、芽が出るまでまき続けないとダメ……最近、大手百貨店のイベントへお誘いいただいたのですが、販売方法などの問題で地方のファンに届けることが出来なかったんです。これは非常にフラストレーションが溜まりました。「全国のファンに、どれだけ買ってもらえるか?」が大きなテーマですから。こうして1年経って特に大きな変化はないですが、客観的に見てがんばった方だと思います。

――逆にご苦労された部分はありましたか?

会社の実務です。ある程度は理解していましたが、簡単に言うと舐めていました(笑)。会社って2ヶ月に1回、役所へ何らかの書類を提出しないといけない。いろいろあって最初から全部を勉強するのは無理なので、それぞれ資料が届いたら対応しようと考えました。つまり2ヶ月に1回、勉強することになって……これが想像以上に大変でした。ほかにも新作や色替えなど発売する度に契約書へハンコを押しますが、その量が想像以上に多かった。「社長はハンコを押すのが仕事!」というがよく解りました。経営とは、いくらソフビに長けても、これは全く別の才能ですね。なんか気安く「会社にしよう」って言わない方がいいと思いました(笑)。

――お疲れ様でした。でも逆にこの1年で社会人としてはもの凄くスキルアップしましたね。

いろんな社長さんとお付き合いさせていただいていますが、皆さん個人時代の私をよく相手にしてくれたなと感謝しています。

――会社になったことで原型師としての立ち位置に何か変化はありましたか?

依頼者からすれば原型師だと思いますが、会社としてのやることも多いので、もう自分自身では原型師という感じではなくて、会社員というのが一番しっくりきますね(笑)。

――そして2年めに向けていかがですか?

版権モノをどう展開するか? ほかの会社とどうお付き合いするのか? その辺を踏まえて、企業キャラクターのノベルティ企画を考えています。キャラクターだけじゃなく、ロゴとかマークとかソフビ化することで「雑貨枠からソフビを広げる!」と考えています。これは会社同士の交流から生まれたアイデアで、すでに色々とお話をいただいてます。そしてもうひとつですが今のソフビは、少数生産の抽選販売が主流でマニア層には欲しいソフビが買い辛く、ライト層のファンは安いモノしか買わない状況です。また彩色や値段など、いろいろとレベルが凄くて、それだとファンがソフビを大事にしてしまうと思うんです。そこでソフビの原点というか、改めておもちゃという部分を見直したいと考えました。もっと気楽に、雑に扱っていいソフビを作りたい! 小さくて買いやすくて雑に扱ってもOKなソフビで、今のソフビの現状を打破したいと考えています。

――それが新シリーズの「プリケッツ」なんですね。

多少のボリューム感はあった方がいいと全高約12センチぐらいで、それなりに細かく造形しました。個人的な話になりますが、もともと私はソフビではなく、これぐらいのサイズの昔のポリ人形が大好きなんですよ。でも今はポリの材料の問題で作れないのでソフビでやってみました。未彩色で1体800円(税抜)ぐらい。この値段を実現するのに、さらに制作スキルを上げなければならず、私の作業が増えました。でも安ければ安いほど買っていただけるしソフビが広がりますから。それにこの造形スタイルは、アニメや特撮に限らず、企業キャラクターも可能ですから、今後コレクション性のある幅広い展開ができると思っています。

――確かにそうですね。ちなみになぜこのシリーズ名になったんですか?

シリーズについて赤司(竜彦氏/メディコム・トイ代表取締役社長)さんとした時「将来性があるので商標登録しよう」という話になり、そこで「名前をどうする」ということになりました。実は個人的に以前からポリ人形のおもちゃを「プリケツ、プリケツ」と呼んでいたのを知っていた赤司さんから「“プリケッツ”でどうです?」と提案されて決まったんです。

――シリーズの第1弾が「サイバーニュウニュウ」になったのは?

以前から彼らと「指人形みたいなものをやりましょう」と約束していたからです。

――すでに「サイバーニュウニュウ」のライブで先行販売されたんですよね? お客さんの反応は如何でしたか?

上々の反応でしたが、このシリーズは今後アイテム数を増やすことで、より購入してもらえればと思っているので、まだそんなに焦ってないです。今、色んな会社にお声がけして「やりましょう!」という話を頂いています。この企画の売りのひとつが、どんなマイナーキャラクターでも「プリケッツ」化出来ることです。小さいから1枚の金型に数種類のキャラクタークターを収めることが出来ますから生産し易い。例えばお客さんは買い物したくてイベントやショップへ行きます。目的のモノはないけど、買い物したい気分ってあるじゃないですか? そこへお土産感覚でちょうどいいかなと思っているんです。あとメジャーとマイナーキャラクターでは、売上に差が出ると思います。そこでイベント出店した時、在庫を使ったお祭り企画として「掴み取り」をやりたいんです。おもちゃですから壁に投げるとか、射的の的にするとか、遊び方の提案なんかも出来ると思ってます(笑)。

――次にぜひ現在のソフビ界についての印象を聞かせてください。今のあべさんにはどのように映っていますか?

個人の印象としてはネガティブな印象ですね。スタンダードソフビが売れない……まだビッグワンクラフトは、がんばっている方だと思いますが……というのは最近はファンが購入に疲れている印象を受けます。だからライトファンに向けて「プリケッツ」を考えました。でも心配もあって小さいモノに慣れたお客さんが将来的に大きなスタンダードソフビを買ってくれるのか? という不安がありますね。ビッグワンクラフトとしては、そんな状況を踏まえてスタンダードソフビと「プリケッツ」を、どうバランス良くやっていくか? ですね。また先程話した会社のノベルティもライトファン層を開拓できると思うので、ウチとしては強みだと思います。ほかクリエイターさん達を見ると、こなつさんとかナカザワショーコさんみたいに、かわいいキャラクターはソフビの根本的な魅力だし、女性も買ってくれるし、とてもいいと思います。女性が買わないと消費は上がりませんからね。まあ、いろいろ考えていますがお客さんの反応を探りつつ、今は非常にふんばり時だと感じています。

――「プリケッツ」も女性に買ってもらいたいですね。

そうですね(笑)。今、「プリケッツの日」を作ろうと、はしもと玩具さんと考えているんです。「プリケッツ」は「2」なので、毎月2日と22日を「プリケッツの日」にして新作や新色を投入してゆく。それを毎回、通販をしながら広げていく……ただ連続となると資金負担が厳しくなります。ここで経営者の手腕じゃないですが、役所に融資の申請しようと思っています。それで、これまで二の足を踏んでいた……例えば「グレートマジンガー」色替えなどを進めることが出来ます。会社で細々とやることも出来るんですが個人の時と変わらないので……これが経営者の采配なんだと思いますね。ただし1~ 2年で終わる事業計画ではどうにもならないので、常に平常運転であることが1番大事だと思っています。

――次にソフビ界全体のことについて最近、海外の……特にアジア圏の製作の勢いが凄いですが、それに関してはいかがですか?

まず版権モノに限っていうと凄くマニアックなキャラクターを製作してる! ウチでも出来るならやりたいけど、果たして会社として売り上げを出せるのか? という問題ですね。トントンでもダメなんですよ、利益が出ないと! 私が版権モノやってきた経験でそうしたマイナーキャラクターを製作して、利益を出せるかというと無理だと思います。だからそれは正直、悔しいだけですね……羨ましいです(笑)。ただこれはもう私は経営者なのでしょうがない。ただウチももっと軌道に乗ってくれば、そういう部分も手がけたいと持っています。頑張ったんだからという個人的なご褒美枠ですね(笑)。

――それと同時にアジア圏から多くの購入者が押し寄せてきています。

それは海外のセカンドマーケットで高価になるからですよね。それに対して地方のファンは、もちろん良いイメージを持つわけがない。ただビッグワンクラフトとしていえば、ウチのソフビは比較的いつもで購入出来るので、そういう意味ではアジア圏のそうした購入者にあまり目をつけられてないんです(笑)。海外のお客さんといえば、私が原型師デビュー当時に買ってくれた方は、未だに増えもせず減りもせず、ずっと買いに来てくれる。そういう意味で海外のお客さんの今の感じは理想的だと思っています(笑)。極端な流れに左右されず、本当に向き合わなければいけないお客さんと向き合っていく。ここが1番重要ですね。それが将来ピンチになった時、きっとウチを救ってくれるんじゃないかと思うんです。

――なるほど分かりました。それでは今後のビッグワンクラフトへさらに期待する全国のファンへ一言お願いします。

もっとソフビを大きなくくりで見て、おもちゃとしてソフビを扱ってほしいし、おもちゃとしての楽しみ方をしていただくことが1番うれしいと感じています。これからもそういう商品開発をしていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
(2017年6月9日/中野ブロードウェイ内の某喫茶店にて収録)

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