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「エビ沢キヨミのそふび道」を終えて改めてバケタンブログのプロフィールなどをメインに紹介! バケタンブログ チェリ&ハッムInterview

大好評「エビ沢キヨミのそふび道」第4回「バケタンブログ編(File:10~File:12)」はいかがでしたか? 今回は成型工場や造形&彩色工房をお持ちのバケタンブログさんへお邪魔し、なんとソフビの成型と彩色を体験させていただく逆接待取材! おかげで体験したならではの内容を紹介出来たのでは! そんなバケタンブログさんですが「ママン」でのデビュー後、あれよあれよという間に大きく成長し、その実態は、ポリアンナグラフィクスというデザイン会社があり、そこでソフビを製作しているという、個人のような、会社のような認識。そこで今回はバケタンブログさんとは一体何者か? それを解き明かすため代表のチェリ氏とハッム氏のご夫婦を直撃した。お話の中で常に穏やかなチェリ氏は終始「自分が楽しいことをやるだけ」と語る。これはクリエイターなら誰もが言いそうな言葉だが、チェリ氏の場合はかなり様子が違う! そしてそれが良い意味でバケタンブログの活動に繋がっているのだ。それが何か? ぜひご確認ください!
インタビュアー■エビ沢キヨミ、『そふび道』

「エビ沢キヨミのそふび道」を終えて改めてバケタンブログのプロフィールなどをメインに紹介! バケタンブログ チェリ&ハッムInterview
↑右にあるのが第1弾で代表作の「ママン」と「ネズミ」。左の上段には「Zガンダム」が!?

「エビ沢キヨミのそふび道」を終えて改めてバケタンブログのプロフィールなどをメインに紹介! バケタンブログ チェリ&ハッムInterview
↑上段&中断に「ねんね」。下段に「バケタン1号」

1/プロフィールについて

ーー本格的に活動開始された年と、そのきっかけとなった出来事があれば聞かせて下さい。
チェリ ソフビを作りはじめたのは2013年の夏か秋ぐらいからだったと思います。
ーー実はまだ4年しか経ってないんですね!
チェリ はい。始めて作ったのが「ママン」です。飼ってたネコの「ママン」が亡くなって、もう「ママン」ロスが凄くて悲しい気持ちでいたら、ある時、知り合いが「ママン」フィギュアを作ってくれたんです。その方は造形のプロでも何でもないんですけど、それでメチャクチャ心を動かされて。「自分もママンを作りたい!」と強く思いました。その頃「ネゴラ」が大好きで、よく大怪獣サロンさんへ通っていたので、MaxToyさんのソフビ製作話を聞きながら粘土で原型を作ってみました。原型を作る知識も何もないので、エポパテ、ポリパテをしっちゃかめっちゃかに肉付けして作っていました。その様子をみた心優しい原型師さん達に、いろんなアドバイス頂きつつ「ママン」を完成させることができました。
ーーそれまで造形の経験はあったんですか?
チェリ 全くないです。そもそも立体では、プラモデルすらそんなに作ったことがないですから。
ーー「ママン」ロスがきっかけで、初めて造形してしまったということですか?
チェリ そう言われると大げさですが、そうですね。本当にロスが凄くて(ハッムさんを見て)その時って病んでた?
ハッム 病んでた! もう夜な夜な原型を削る「シュッ、シュッ!」って音がするんです(笑)。
ーーまさに妖怪ですね(笑)。「ネゴラ」が好きと言われましたがソフビは趣味で買ったりされていたんですか?
チェリ 10年ぐらい前にKAIJINさんの「ステイニー」など、FEWMANYさんで販売しているアート系のソフビを買って「いいなー!」って飾っていました。ただこの時はまだ、ソフビに関してそこまでではなかったんです。ところがある日、MaxToyさんの「ネゴラ」を見て「めちゃくちゃカワイイ!」って火が点いてしまったんですよ。それでMaxToy販売会を目当てに大怪獣サロンさんへ通ったり、「デザインフェスタ」へ行っては「ソフビが一杯ある! やったー!!」みたいに大はしゃぎしていました(笑)。
ーーハマったのは「ネゴラ」から!? その時「自分もソフビを作りたい」と考えていたんですか?
チェリ 全然、思ってもみなかったです。
ーーちなみに「ママン」のデザインはチェリさんですか?
チェリ いえ、ハッムさんです。もともと「ママン」は、ハッムさんが良く書いてた落書きなんです。生まれてくる子供に「ママンって、こんなネコだよ」ってのを読み聞かせたくて、ハッムさんと二人で「ママン」のマンガを作ってました。でも子供が生まれて1ヶ月後にママンが亡くなってしまって……。悲しかったけど、その反動で「ママンをアニメにして、子供に見せたい」という風に目的が変わり、社長に「アニメ作っていい?」といって相談し、『どうしても干支に入りたい』をアニメ化しました。
ーーアニメにソフビに「ママン」ロスでいろいろ誕生しているんですね。それまでアニメ製作の経験はあったんですか?
チェリ はい。以前、日活さんとの共同制作のアニメ『47都道府犬』を製作したことがありました。ハッムさんがキャラクターデザイン、私がアニメーション、脚本、演出みたいな感じで。『どうしても干支に入りたい』もハッムさんがキャラクターデザインで、私がアニメーション、脚本、演出、監督って感じです。最近は主な仕事がアニメになっていますね。元々は二人ともグラフィックデザイナーです。
ーーグラフィックデザイナーに始まってアニメの脚本&監督、ソフビの製作とどれも出来てしまうし、仕事になっているのが驚きです!!
チェリ 基本なんでもやりたがりでして、たまたまいろんな縁があって、いろいろやらせて頂いています。
ーーなるほど! なみにこのバケタンブログさんというネーミングはどこから来たのですか?
チェリ 私とハッムさんで以前、趣味でマンガ同人誌を作っていたのですが、その時のサークル名です。プロの活動以前といえば、それがそうですね(笑)。
ーーそうだったんですね!? 勤め先のポリアンナグラフィクスさんとは全く関係なかったんだ!?
チェリ そうなんです。仕事は仕事としてポリアンナグラフィクスで、趣味は趣味でバケタンブログとしてキッチリ分けています。ソフビももともと個人の趣味からのスタートでしたので、バケタンブログなんですよ。ただ最近はバケタンブログも大きくなって、人を雇ったりしているので、今はポリアンナグラフィクスの1ブランドみたいな位置付けにしました。そのブランドの中で、アニメを作ったりソフビを作ったりしている感じです。
ーー個人の趣味だったソフビが4年の間に会社の1ブランドにになっている! 凄く夢を感じるお話ですね。
チェリ 本当にMaxToyさんや金型屋さん、みなさんが凄く良くしてくださって、色々とアドバイスをくれたりしたおかげです。結果的に楽しい場を広げることが出来て良かったです。
ーー金型屋さんもですか?
チェリ そうでした。うちでお願いしている金型屋さんは、色んなメーカーさんの金型を制作されていますが、自分で「ソフビつくりたい!」という個人の作家さんの声に、積極的に耳を傾けてくれるとても素敵な方なのです!僕の場合、ネットでソフビの作り方について調べて、その金型屋さんのサイトに行き着いて、相談のメールをお送りました。するととても丁寧なお返事をいただいて、それがきっかけでお願いするようになりました。いまでも凄く良く対応していただいてます。
ーー自力で調べて自分から行動! ハッムさんはチェリさんのソフビ作りがどんどん大きくなってゆく過程を見てどのように感じていましたか?
ハッム やりたいことをどんどんやっていくので「凄いなーー!」って思ってました(笑)。最初は「ママン」の目なんか、マスクじゃなくて手書きでしたからね。
チェリ 彩色マスクとか知らないし、作り方も分からないので全部手書きでした。出来もしないのに描こうとしてフニャフニャになって……。恥ずかしながら「デザインフェスタ」で売ったりしてましたね。
ーー彩色は全く未経験だったんですか?
チェリ 全く無かったです。今も彩色サンプルは、私が横から指示するだけでスタッフにやってもらっています。横で口うるさく指示を出しています(笑)
エビ沢 sofvi.tokyoで拝見した「Zガンダム」はグラデーションの彩色が凄いと思いましたね。
チェリ ありがとうございます。「Zガンダム」は小学生の頃、メチャクチャ好きだったんです。無骨な「1stガンダム」のイメージから一新され洗練された中性的なデザインが、凄く「かっこいい!」と感じました。以前MaxToyさんから「ライセンス物も1度やってみたら世界が変わりますよ」って言われたことがあり、それを機に、思い出の「Zガンダムを作ろう!」という気になったんです。そしてお友達の原型師に「自分でΖガンダム作るので、オススメの3Dツール教えてください!」っていって教えてもらい、それを勉強して、作成し、その3Dデータを出力して、それを原型にしました。
ーー簡単に言いますが3Dツールって学習しながらすぐに出来るんですか?
チェリ 使ったのはメチャクチャ初心者向けのツールだったので、凄く分かりやすかったです。ちょうど『どうしても干支に入りたい』のアニメ制作が一区切りついたので、次に忙しくなるまでの間に「Zガンダム作っていい?」って社長に相談して。最初「はあ?」って顔をされましたけど(笑)。どうやってスラッシュ成形に落とし込もうか考えるのが楽しかったですね。
ハッム 3Dプリンターを会社で買ってね!
チェリ そうそう。それで出力したんですが、安物なので表面が荒くて…。スタッフに表面処理してもらいました。
ーー3Dプリンターまで購入してましたか!? 「ママン」は手作業でしたが、「Zガンダム」は3Dツール! なんか凄くスキルアップしてますね。
チェリ 仕事でもなんでもそうですが基本的に、やったことのないことをやろうと心がけています。やったことがあることしかやらないと成長しないし、きっと楽しくないですし。だからとりあえず思いついたら「やってみよう」みたいな感じです。
ーーそういえば今では成型の自社工場をお持ちなんですよね?
チェリ はい。金型を預けている工場に成形品を発注したら、上がってくるまで結構時間がかかるし、上がってくる頃にはもうほかのことをやりたがったりしてて。かといってあらかじめ数多く成型しておくとか、段取りばかり考えていると、今度はモチベーションがあがらない。そういったことを悩んでいるうちに「自前の工場があれば、その場で出来るじゃない!」と思いはじめました。それが工場を作った理由です。
ーーソフビ制作では誰もが夢見る環境ですが実際に出来る所が凄い!
チェリ その時、会社が潤っているのを知っていたので、社長に「真空脱法機とか油槽、水槽とか買っていい?」って話をしました。最初は「えー!?」って、いやがられました(笑)ですが根気よく工場を持つメリット等を説明して、そして理解してもらえました。工場自体、道路を挟んで工房の正面にあるので、勝手にこの道をバケタンストリートって呼んでいます(笑)。余談ですが工場が入った物件は、もともと家具製作所だったんらしいんです。同じ物作りとしてすごくご縁を感じました。
ーーハッムさんは、そういうチェリさんの突飛とも思える行動についてどう思っているんですか?
ハッム 凄いなあって思いますね(笑)
チェリ(ハッムさんへ)出来たモノはかわいいでしょ?
ハッム 凄くかわいいからよし! って(笑)。
チェリ ウチのソフビの半分はハッムさんのデザインですから。もう半分が私のデザイン。ちなみにこの「アンレイ」はハッムさんの描いた落書きです。原型は浅井真紀さんにしていただいています。落書きをもとにモデリングしてくれてたんですよ。

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↑不思議な何か? アンレイ……

ーーこれ3Dデータなんですか? ちなみに現在の原型は、3Dデータと手作業で何か分けている基準はあるんですか?
チェリ 実は私の手作業の原型は初期の「ママン」と「ネズミ」だけなんです。原型は色んな方にお願いしています。「ママンマン」はウチの工房のシオンくんだし……「ソウナンキューブ」もギミックなどの設計だけ僕がやって、飼い猫だったメインクーンの「ソウナン」の写真を1杯プリントアウトして、シオンくんに見せて「この設計とソウナンを組み合わせて作って」とお願いして作ってもらいました。彼はリアルなタッチが得意なので、バチっとハマってとても満足のいくものが出来ました。あと「ねんね」や「バケタン1号」はお友達の原型師さんです。原型を作る際は、その手段にこだわりはなく、自分でやりたい時は自分がやるし、あまり深く考えてないです。バケタンブログの作家性とかも特に気にしてなくて「作りたいモノを作る」って感じです。それが欲しいものであれば自分のデザインでなくて全然OKです。「ドラゴニット」も、「ネコのドラゴンが欲しい!」ってところから始まり、最初は自分でデザインしたんですけどしっくり来ず、モンスターデザインのお仕事をしている友達にお願いしました。そして、「このデザインなら原型は牧野(良彦/TTToy)さんにお願いしたい!」と思って、原型製作依頼の連絡をさせていただきました。「ネゴラ」の造型が大好きでしたので、予想通りバッチリなものに仕上がりました。

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↑昔の駄菓子屋でお馴染みの冷凍ケースへのディスプレイがオシャレなのだ! 上から「ママンマン」「ねんね」「ドラゴニット」

ーーもうソフビ制作でも完全にプロデューサーなんですね。最初に趣味からスタートしてスタッフが増えていったのっていつぐらいからなんですか?
チェリ 1年半前くらいですね。それまでは完全に私個人の趣味でした。その後、金型、機材等の個人資産を会社へ移して、そこから会社での活動とし、スタッフも雇いました。
エビ沢 今は何人ぐらいスタッフがいらっしゃるんですか?
チェリ 私以外だとふたりで、ひとりは造型と彩色工房で、もうひとりは成型工場に常駐しています。あとひとり、ヘルプで週の半分ぐらい工房に詰めてもらっている方がいます。
エビ沢 常駐されているスタッフさんは、原型、成型、彩色の全てをやられるんですか?
チェリ そうです。原型が間に合わない場合は、知り合いにお願いしたりして、その辺は効率よく回せるようにしています。
エビ沢 全て出来るスタッフがふたりもいらっしゃるなんて凄いですね。
チェリ それもたまたまの縁でした。「デザインフェスタ」に参加した時、ブースに「私はワックスが出来ます!お仕事あれば!」って営業に来たのがシオンくんなんです。1回お願いしたら、わりと融通がきくのでウチに誘いました。彼はワックス以外でも原型製作や表面処置、塗装などいろんなことができるので、「雇って良かった」と思いました。

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↑「デザインフェスタ」に突如出現した巨大なガチャマシン

ーーそうだったんですね! そういえば「デザインフェスタ」と言えば大きなガチャマシンには驚きました!
チェリ あれは、まさにビックリさせたかったんです(笑)。バケタンブログを手伝ってくれる方の中に、実家がロボット工学のお仕事をやっているという方がいるんです。そこではライブなどの色んなギミックを製作しているんですね。そこでガチャマシンを渡して「この心臓部を作ってください」とお願いしました。それが完成したら、今度はその心臓部を持って、家具職人である私の父のところに行き、外側の製作をお願いしました。仕事の合間を見ながら少しずつ進めていって、結局完成するまでに2年ぐらいかかっていますね(笑)。
ーーとにかく存在感があって圧倒的なんですが、そもそも製作動機は何だったんです?
チェリ 小さい時って、ガチャガチャは、凄く楽しかったんですよね。小学生ぐらい時って100円は凄く大きかったじゃないですか? それを何が出るのか分からないガチャガチャにつぎ込んで一喜一憂した思い出というか感動というか……。ですが、大人になると1回100円~200円は大きな感動がない。財力的に何回も回せますしね。あの小学校時代に一喜一憂した感動をどうすれば大人でも再現出来るだろう? って考えた時「1回3000円~5000円するような、そして、すごく大きなガチャガチャだったら、大人でもそれなりに一喜一憂出来て楽しいかな」って思ったんです。本当に通常のガチャガチャを、そのまま大きくしたのを作りたかったのです。メダルを入れる機構も活かしたく、ちゃんとメダルも作りました。ちゃんとメダルを入れないとロックがかかって回せないです。ダミーだとテンションがあがらないですしね(笑)
ーースタンダードサイズがガチャガチャで当たるって凄いですよね。
チェリ 初披露は2017年5月の「デザインフェスタ」の「バケタン1号」ガチャですね! 凄い楽しかった!!(笑)。
ーーやりたいことを思いついたら、そこへ向かって進まれていますね。
チェリ はい。でもちゃんとお仕事もしてますから!
ーー分かっているので大丈夫です! 趣味でスタートしたソフビも、もはやひとつのビジネスとして成長し始めてるわけですね。
チェリ そうですね。成型工場を作ってしまいましたし、スタッフも雇っていますからもう少し生産数を上げていかないと。ソフビも「欲しい!」と言って下さる方がいれば、たくさん供給したいと思います。
ーーハッムさんは工房が出来て、工場ができてゆく様子を見てどう思われていたんですか。
ハッム(笑)。
チェリ 決して遊んでいるわけじゃないです(笑)きちんと社長を説得して理解いただいての活動ですから!
ーーアニメやソフビなどいずれもチェリさんの趣味性が強いですが、何をするにも会社へ企画を通して動いているので凄くきちんとしているんですね。
チェリ ソフビ活動は社長も凄く気に入ってます。「デザインフェスタ」では店番をしてくれたり、私がいけなかったイベントへ行ってくれたりしているんです。
ーーなるほど! 自分のためにスタートしたのにハッムさんが認めてくれて、会社が認めてくれて、仲間が出来てきて! そんな理想的な環境ってないですよね。
チェリ 楽しいですよ。友達が沢山いて良かったです。ただ、まだまだバケタンブログは歴史が浅いから、本当にこれからだと思っています。
ーーそんなバケタンブログさんにとって、今の代表作は何になりますか?
チェリ やはり1番最初に作った「ママン」ですね。「ママン」は凝った造形ではないですが自分の愛を充分に詰め込んだので今でも1番お気に入りです(笑)。
ーーチェリさんのお話を聞いていると、楽しみながらやるのことが1番ということを実感します。そういえば自身でソフビを作り始めてからもほかメーカーのソフビは買われたりするんですか?
チェリ もちろん買っています! やっぱりMaxToyさんのソフビですね。最近だと「イボンヌ」さんは凄く好きです!
ーーサイコーですね!

2/趣味趣向について

ーー最初に子供の頃好きだった作品の思い出などありましたら聞かせて下さい。
ハッム なんだと思う?
チェリ 映画とかテレビとかって……そんなに見てないから……。あ、私は社会人になってからずっとMacが好きだったので、それをオマージュしたく、「バケタン1号」を作りました。デザインはどんどんオシャレになるけど、実は違う世界線ではこういうデザインになっているんじゃないか? ってことから発想して、そこに好きだったゲームボーイの要素や、小さなブラウン管をいれたり、そして電池で動いてて〜、うしろにはごつい拡張子があって〜、みたいな感じで「ぼくのかんがえたさいきょうのがじぇっと」を妄想しデザインしました(笑)
ーー周りにあった道具的なモノが好きだったんですか?
チェリ いえ、振り返るとそれに凄くハマったかというと、そうでもない。macは、あくまで好きだったモノのひとつですね。一貫してずっと「これが好き!」というのはうーん……。
ーー例えば怪獣ソフビの人たちは、基本的に怪獣が好きで、それこそ昭和の『ゴジラ』『ウルトラマン』『仮面ライダー』ですよね。チェリさんにとってのそういう作品ってどうでしょう?
チェリ うーん。絵本作家になりたくて地元から上京して、それまで絵を描いていたんですが、結局ゲーム会社に入ってから、あまり絵を描かなくなりましたし…。
ハッム 飽きっぽい?
チェリ そうかもしれない。(ハッムさんに向かって)あきっぽい感じしますか?
ハッム はい。
チェリ なんだろう……何もない(笑)。ゲームだと「バーチャシリーズ」はおもしろかったのでゲームセンターでたくさんやりました。それぐらいかな……。あとは古いゲームが凄く好きで、工房にファミコンがあったり、最近ではドリームキャストを手に入れたりしました。あとはなんだろう……あれ?
ハッム 何もないね。からっぽだね(笑)。
チェリ からっぽじゃない! ……mixiとかTwitterとか無かった時代は一体どうしてたんだろう?(笑)。

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↑コスモス自販機はは2台!

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↑MVS筺体や駄菓子屋を再現するためのベンチも!

ーーえらく悩まれてますが、この工房のディスプレイは、ある意味チェリさんのこだわりだらけだと思いますけど?
チェリ 確かに小学生の頃、コスモスは凄く好きでした。工房を作った時、入り口側は懐かしい感じにしたくて、ヤフオク等でコスモスの自販機やMVS筺体とか探しまくりました。こどもの頃の駄菓子文化ですね……そういえば「ビックリマン」もシールをコンプしています! そうです、ミニ四駆だったり、その時その時に1番楽しいこども時代を全部体験してきた感じです。今の私のエネルギー源って、その時代に楽しかったことを、また味わいたいというのが大きいかもしれないです!
ーーそれが今はソフビに向いているということなんですか?
チェリ はい。
ーーふと気になったんですが、先ほどハッムさんが飽きっぽいとチェリさんについて話されましたけどソフビに飽きることってありそうですか?
チェリ あまり想像がつかないので、ないと思います。だってソフビは凄くすごく楽しいですから。壊れないし、小さいこどもに与えても大丈夫だし、気軽にポケットに突っ込んで遊びに行くことも出来ます。今のおもちゃってとても良く出来ているけど、その分デリケートで、昔のよりも壊れやすい印象です。そういうのもあって、ソフビが凄く好きなんだと思います。。大人になってまたソフビに出会えて良かったと思います。きかっけを作ってくれたMaxToyさん、金型屋さん、最初に「ママン」フィギュアを作って持ってきてくれた方に、とても感謝しています。
ーーそんなこども文化の楽しさが、今のこうしたセンスに繋がっているんですね。
チェリ そうですね。小さい時のスーパーの裏にあったコスモスや、よく通った駄菓子屋の雰囲気。そういう空間をまた作りたいうのでこうしました。実家にはもう自分の懐かしの場所は全くないんですよ。そう考えるとその思い出の中に生きていたいという感じですね。
ーー自分が1番居心地が良かった時代の空間ですね。これだけコーディネイト出来るというのはこだわりだと思います。
エビ沢 ただ懐かしさで揃えているんだけど、どれも凄くオシャレにまとまっている。そこはデザインのお仕事をされているからなのかなって思いました。
チェリ コスモスやMVS筺体を探すのに妥協しませんでしたから(笑)。
ーー1度ハマると凝り性なんですね。そんなチェリさんが今の新しい何かに刺激を受けたりすることはありますか?
チェリ 新しい事には、わりともうお腹一杯というか……新しいゲームやマンガにもあまり手をつけなくなってきてます。割と残りの人生とを考えると、楽しかった思い出の中で過ごせるのもいいかなと思っています。
ーーなんだろう? 思い出の中というと後ろ向きにも感じますが、チェリさんからは全然それが後ろ向きではない感じがしますね。
チェリ 後ろ向きではないと思います。人生自分にとって何が1番楽しいか?がそれが大事だと思うんです。もう自分の楽しいことで一生を過ごしたい。だから「常に自分の楽しいことをやろう!」って思っています。今、楽しいのは「懐かしさの再現」や「こういうギミックをやってみたい」とか「この人とコラボしてみたい」などですね。
ーーそのような考え方は前からですか? それとも何かきっかけがあってそうなったんですか?
チェリ 実は私は2年前に大手術を受けているんです。先天性の心臓病を持ってて。自然治癒することはなく、いつか必ず手術しないといけない状態だったんです。そういうのもあって、ほかの方々に比べて割と「死ぬこと」への意識が強かったと思います。だから「楽しい人生を送るのが1番いいよね!」って強く思うようになったと思うんです。結局、主治医の指示のもと、2年前に手術を受けました。この通り、お陰様で無事に成功しました。後遺症もなく、薬さえ飲みつづけたら普通の人同様、健康体で人生を全う出来るようになりました。この辺りから「楽しい人生を送る!」というのが常に念頭にあるんです。
ーーいきなり重い! 今のお話を聞いてチェリさんの「とりあえず思いついたらやってみよう」は、なるほど納得です!
チェリ この病気がなかったら、人生について深く考えることもなく、色んな覚悟というか、やれる時ににやる覚悟とかがなかったかもしれないですね。今やる覚悟なんて“死ぬこと”に比べたらなんでもないですしね。
ーーだから何でもやりたくなったらチャレンジするし、それが次々とモノになっていく! そこに凝り性が加わって物作りとしては怖いものなしですね!
チェリ(笑)。
ーー改めてソフビを作る時に何か気を付けていることはありますか?
チェリ 自分が欲しいかどうか?です。あと最近は多少、商売のことも考えて「後々バリエーションが作れるかどうか?」も考えます。ただそこはバケタンブログは基本がネコモチーフなので、そんなに困ったことはないですね。「ママンマン」は、最初「数パターンぐらいしか作れないかな?」と思ったんですが、自社工場だけに金型ごと成形色を変えて作ることが出来るので、実は色んなバリエーションを作れることが分かって「ラッキー!」って感じでした(笑)。
ーーそれは工場を持つメリットですよね。彩色で気にしているポイントとかあったりしますか?
チェリ それも「自分が欲しいかどうか」ですね。あとは、お友達でおもしろいドライブラシの方がいて「なんかやってみて!」って素体を提供したりしています。
ーーそういう任せられる知り合いがいるって恵まれていまね。
チェリ 凄く良い縁だなと思いますね。

3/今後について

ーー今後についてのプランなどお開かせできる範囲でいいので聞かせて下さい。
チェリ ずっとソフビは作り続けていきたいと思っています。その時、その時で「自分が欲しいモノを作る!」っていう行き当たりばったりですが、枯れずに続けていけたらいいなと思います。今でもやりたいことばかりで、すでにシオンくんに「原型これやって、次これやって、次これやって」って色々、予定を詰め込んでいるから、この調子だったら枯れない感じがします。
ーー将来的に何か作ってみたいソフビなどありますか?
チェリ なんだろう? 意外と目先のやりたい事しか考えてないかもです(笑)
ーー例えば「Zガンダム」のようにライセンス物で作ってみたいキャラクターはいますか?
チェリ そういえば、こないだまでライセンス物は「Zガンダム」でお腹一杯だったんですが、実はまたやりたいキャラクターが出てきたので次の夏イベントに向けて原型を仕込み始めている所です。とりあえず未来の予定で決まっているのはそのぐらいですね。
ーーイベントへの出店予定などはありますか?
チェリ 2018年2月の「WF2018冬」に出店します。2ブースとっているのであの巨大なガチャマシンを持っていきたいなと思っています!
ーーそれは楽しみですね! ほかには何かありますか?
チェリ あとお金が凄く欲しいです。なんか宝くじ当たらないかなって思っています。
ーーいきなりどうしました(笑)。せっかくソフビが軌道に乗りつつあるのでそれで稼いで下さい。
チェリ でもソフビはそんなに儲かるものではないですよね(笑)
ーーでも可能ならそれで一生、食べていければいいと思っているクリエイターは多いと思います。
チェリ ソフビが凄く売れているケースも聞いたことがないけど、確かにこれで一生、食べることが出来たらいいなと凄く思います。それだけでなく、本職のグラフィックデザインやFLASHアニメの監督など、色んなことを広く上手くやっていきたいんです。
ーーなるほど! 逆にそれでやる気のバランスをとりながらという部分があるんですね?
チェリ そうです、そうです。多分、どれかひとつだけになると「飽きる?」という気がしています。グラフィックやFLASHアニメの仕事をしつつ、いきなり工房や工場へ来て「こんなの作りたい!」とか指示を出してから、また戻って仕事する。仕事とソフビのふたつの場所を通うのが楽しいみたいな感じですね。
ーー羨ましい限りです。チェリさんのような仕事場を作れた方がいたことは、クリエイターを目指す方にとって、実はきちんとやれば出来ることを示してくれているので励みになりますね。
チェリ 自分の人生、幸せルートへ行っている自覚はあります。凄く運の良い人生だと思います。
ーー運や縁もありますが、それは本人が動くことで呼び込んでいる部分もあると思います。今後ますます期待しています。本日はありがとうございました!
(2017年11月13日/バケタンブログにて収録)

「エビ沢キヨミのそふび道」を終えて改めてバケタンブログのプロフィールなどをメインに紹介! バケタンブログ チェリ&ハッムInterview
↑バケタンブログスタッフ。左から成型工場のユウトくん、造形&彩色工房のシオンくん、エビ沢氏、チェリさん(後)、ハッムさん(前)

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