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「エビ沢キヨミのそふび道」を終え、改めてソフビ界でお馴染みの人物、タケヤマ氏とはどのような人物なのか紹介! アーティスト、タケヤマ・ノリヤ氏Interview

「エビ沢キヨミのそふび道」を終え、改めてソフビ界でお馴染みの人物、タケヤマ氏とはどのような人物なのか紹介! アーティスト、タケヤマ・ノリヤ氏Interview
大好評「エビ沢キヨミのそふび道(第2章「立志編」つる・ばら編/File:25~File:27)」はいかがでした? ここでは「コイス」のイラスト担当である世界のメルヘン、タケヤマ・ノリヤ氏を改めて紹介。というのもタケヤマ氏といえばソフビ界との関係も深いし、いくつもソフビ製作に関わっている。ただ通常、個人クリエイターのソフビは作家の個性なり主張が前面に出てくるモノ。ところがタケヤマ氏が関わったソフビから、そうした主張があまり感じられない……それがいつも不思議だった。そこで今回の「つる・ばら編」にあわせて、改めてタケヤマ氏という人物に迫ってみたいと思い、色々とお話を聞かせていただいた。
インタビュアー■『そふび道』

1/プロフィールについて

ーーまず最初にタケヤマさんのプロフィールを教えて下さい。
私は1969年代~1979年代の完全なソフビ世代で、子供の時はそれで遊んでいました。「カネゴン」ソフビなどが好きでしたね。
ーータケヤマさんは『ウルトラQ』直撃撃世代ですか?
厳密に言うと『ウルトラQ』は再放送でしたがドーンと影響を受けています。子供時代から自分の拘りみたいなものがあって、青い色が好きだったからソフビも青い怪獣が好きでしたね。
ーー言われてみれば「カネゴン」のメインカラーは青でしたね。
「カネゴン」の目がピョンと飛び出ていたのが凄く好きだった。同時に「ケロヨン」も好きで……まあカエル好きなんですね。当時って銀行でもソフビ貯金箱など、よく販促で使われていたり、子供時代は周りにソフビが一杯ありました。それが成長過程で全て捨てられてしまって……。だから中学の時は「思い出のモノが欲しいな……」って過ごしていました。そして高校……ちょうど1980年代なんですが、ここでレトロブームというか、ホビーショップなどで肌色未彩色の怪獣ソフビなんか売られていたりしたんです。
ーー当時の日本は、ガレージキット創世記みたいな時代で、盛り上がったホビーに色んな動きがありましたよね。
その時期、アンティークショップのビリケン商会が発売したソフビのキット「メタルーナミュータント」を購入しました。そして再び小さい頃に馴染んだおもちゃへの憧憬があったんですね。そんな流れもあってタカラさんの社員募集記事をみて、SFオリジナル玩具の「ミクロマン」など好きだったから入社しました。ところが配属先は「リカちゃん課」……今だから言えますが何の思い入れもなくて……。この時期、女の子向けドールは、やはりタカラから発売されてた「ジェニー」が人気で「リカちゃん」人気は厳しい状況だったんです。それをなんとかするため、起死回生の企画で「リカちゃんパパ」を発売することになる。当時の設定で「パパは行方不明」なんですが、そこへ「パパのピエール」が現れたので「おもしろい!」って注目され、人気が好転するんです。またその翌年が「リカちゃん25周年」で、その時期にメーカー・M1号さんからマルサン・ブルマァクタイプの新規造形な怪獣ソフビが発売されていた。それを見て「いいな!」と感じました。当時1990年代の始め、バンダイさんもブルマァクを復刻されていたし、懐かしアニメ『チキチキマシン猛レース』が再ブレイクしたりしていました。そこで「時代がレトロブームになっている」と感じて「リカちゃん25周年」で「初代リカちゃん」「わたるくん」「いずみちゃん」の復刻を企画しました。これはファンに大好評でしたね。でもこの復刻を最後にタカラを退社するんです。
ーーえ? せっかく成功したのに、なぜ辞められたんですか?
もともとイラストレーターやキャラクターデザインとか、やってみたいと思っていたので成功しているうちが潮時と考えたからです。1991年〜1992年ぐらいだったと思いますが、この退社は私にとって大きな転機でしたね。
ーー退社後、即フリーとして仕事されているんですか?
いえ退社後は、生活もあるので一旦ジグソーパズルの会社に入りました。そこの知り合いに「渋谷にある宇宙百貨がギャラリーをやっているんだけど、キミは絵が好きみたいだから何か描いて見せに行ったらいいんじゃない?」というアドバイスをいただいたんです。そこで、当時描いてたレトロっぽい「クマ」など見てもらったら「こういう動物キャラを描いてる人がいない!」ということで、すぐ採用してもらえて、ラッキーなことに商品化され売上も良かった。 これがタカラを辞めて1年ぐらいの事で、それで完全にフリーになるんです。これは懐かしさをキーワードにレトロでかわいい感じで出来ましたね。
ーー「レトロ」というキーワードは、タカラ時代からずっと続いてるんですね。
もう高校時代からですね。ちょうどその時代、1980年代頃のマンガって『すすめパイレーツ』の江口寿史先生や『Dr.スランプ』の鳥山明先生など、そうでしたが、こちらの思い出を刺激するみたいに、モブシーンで「ウルトラマン」などの懐かしのキャラクターがドーっと描かれたりしましたよね。そうしたレトロ感で「リカちゃん」も出来たし、それは独立しても続いてて、そんな気持ちはソフビにも繋がっているんです。やはりソフビってどこか懐かしい……今尚、新しいのが発売されてもそう感じます。
ーーソフビとの関わりは、いつぐらいからになるんですか?
もともと立体は好きなので、学校で勉強していたんです。初めて自分がデザインしたキャラクターが立体化されたのは、アート・ストームさんから発売されたマスコットです。ちょうどおもちゃ雑誌企画で『デビルマン』デザインコンテストがあって、当時はまだ名も知られてない私のデザインですが、うれしいことに「かわいい!」と評判良くて、それを知ったアート・ストームさんからお声がけいただいたんです。
ーーその時期はタケヤマさんのデザインを各メーカーさんがソフビ化していました。でも現在はより個人メーカーに近い感じで製作されていますよね?
アート・ストームさんの次に、セキグチさんから発売されたカエルの「プーリーズ・フロッグマン」とかはカエル好きなので凄く好きな作品です。ただ残念ながらセキグチさんがその後、一旦フィギュア部門を閉めることになって、そこから現在の繋がりであるOne up.さんでの「ドリームハウスモンスター」だったり、その後の「コイジャラス」になるんですね。このように一般メーカーから2000年代に入ってインディーズメーカーさんへ繋がってゆく流れがありましたね。
ーー通常、インディーズメーカーでのソフビ製作って、もっと作家さんが前面に出てくるものだと思うのですが、タケヤマさんがどちらかというとプロデューサー的で一歩引いた印象が強いのですが、それはどうしてなんですか?
それは、いつもチームで作業するおもちゃ会社出身というのが大きいかもしれません。会社だと自己主張が過ぎると仕事の妨げになりますからね。それにソフビは、私のデザインを受けてくれたメーカーさんの思いが入った方がいいと思ってて……多分、自分の人格を投影する気がないんです。それにある程度、世の中を知っていると、“運”などの強いきっかけがないと、なかなか自分を前面に出すのは怖いですよね? だから「コイジャラス」は、ピコピコさんと組んだ“タケピコ”だったんです。
ーーなるほど! タケヤマさんが常に1歩引いた印象が強かったのはそういう理由だったんですね。
ただこの1〜2年心境の変化がありました。2007年ぐらいから、デザイン学校の先生をしているんですが、そこで生徒を見ていると、色々とおもしろいので「この子たちをプロデュースを出来たらいいな!」と思うようになる。最近まで色々、手助けしていたんですが、改めて「まず自分が作家としてちゃんと立たないとダメだな……」と思うようになってきたんですね。
ーー改めてですか? 
生徒と交流してて、先に自分が立つことで「あの人、あの年で、まだこういうことをやっている!」というのを見せることが教育になると今更、気づいたんですよ。だから今はデザインというかイラストを描く「タケヤマ・ノリヤ」をもっと前面に出そうと思っています。フリーになって作家で生きていくことを選んでおきながら、先ほども言ったように表に出るのは、凄く恐い側面があるから色々考えてしまう。振り返ってみると、それによって自分の作家活動がおろそかになっていた部分も少なからずあると思うんです。おかげ私はこの歳になって、始めて作家の気持ちなんですね。
ーー作家としてのタケヤマ・ノリヤ第2章が始まったということですね。
本当にね!(笑) 自己プロデュースみたいな感じで、これまでいろんな課題やお仕事に応えてきましたが「好きなモノ、おもしろいモノをやる! 楽しんでやっている人がいい!」という部分が、頭で分かってたんですが踏ん切れてない部分もあったと思います。だから今は作家として立っているみなさんを見習う感じなんです。
ーーなるほど。ざっくりと大きな流れでお伺いしましたが、改めて作家名「タケヤマ・ノリヤ」とされたのはどうしてですか?
本名なんですが、漢字表記だと重い字になってしまうんです。イラストレイターでもあるのでライトな感じにしたくてカタカナ表記にしました。
ーー平面、立体と様々な作品を製作されていますが、それぞれの発想法などを聞かせてください。
影響を受けているのは、歌川国芳や1400年代ぐらいに活躍された宗教画家のヒエロニムス・ボス、そして杉浦茂先生ですね。今の自分を見るとファインアートの古典的存在である歌川国芳が近いかもしれない。あのイメージが好きですね。あとカエル、カメ、コイやナメクジなど池周りにいる小動物が好きで、なぜそれらが好きか? 自分なりに分析すると幼い頃、祖父の家に小さい池があって、そこはちょっとしたジオラマで、当時「鬼太郎」や「油すまし」など、ちょうど握れるサイズのソフビが好きで、それらを池周りに置いて遊んでいたんです。だから今だと[プリケッツ]みたいなソフビは、結構ハマりますね。それが今の「コイス」にも繋がっていると思うんです。多分そういう原体験と歌川国芳のような古典作品を自分で繋げてアウトプットしている……だから“レトロ感”ですよね。それが自分の発想の基本になっていると思います。
ーーそんなタケヤマさんの現時点での代表作とその理由を教えて下さい。
結構、自分の中では「コイジャラス」だったり「プーリーズ・フロッグマン」になるのかな。

「エビ沢キヨミのそふび道」を終え、改めてソフビ界でお馴染みの人物、タケヤマ氏とはどのような人物なのか紹介! アーティスト、タケヤマ・ノリヤ氏Interview
↑タケヤマ氏のキャラクターデザインラフ

「エビ沢キヨミのそふび道」を終え、改めてソフビ界でお馴染みの人物、タケヤマ氏とはどのような人物なのか紹介! アーティスト、タケヤマ・ノリヤ氏Interview
↑ソフビ代表作のひとつ「プーリーズ・フロッグマン」(後ろのカエルキャラクター)とOne up.製作、KAIJIN氏造形の「ドリームハウスモンスター」

「エビ沢キヨミのそふび道」を終え、改めてソフビ界でお馴染みの人物、タケヤマ氏とはどのような人物なのか紹介! アーティスト、タケヤマ・ノリヤ氏Interview
↑そしてOne.up製作、ピコピコ氏造形の「コイジャラス」

2/趣味趣向などについて

ーー先ほど子供時代から怪獣が好きだったと伺いましたが、ほかに好きだった作品の思い出などありますか?
ピコピコさんと共通するんですが「ケロッグ」のオマケに影響を受けてます。例えば顔がトンカチで体が鳥という「トントン鳥」というシリーズです。アメリカでは「ツールバード」というんです。造形も良くて成型色のみで、おもちゃとしてかわいいし、クリエイティブで「何なのこれ?」という魅力がありました。それは大人になった今でも集めています。
ーー彩色版より未彩色の成型色活かしみたいなモノが好きなんですか?
あまり彩色に凝らない感じが好きなんです。かといって未彩色に固執するつもりもなくて、お客さんが凝った彩色を望むのであれば、それはそれでいいと思っています。
ーー現在も様々な作品をご覧になっていると思いますが、どのような作品が好きですか?
さっきも言いましたがマンガ家の杉浦茂先生は、ずっと引きずっています……杉浦茂的な何かですね。
ーー杉浦茂的な何かとは何ですか?
例えば『スター・ウォーズ』の最初の酒場シーンとか、今だったら『レディ・プレイヤー1』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』なんかもそうですが、登場キャラクターが全部出てくるみたいな感じですね。『ゴジラシリーズ』なら『怪獣総進撃』ですね。そういう全部出てくる感じってバカ騒ぎなんだけど、とても杉浦茂的なんですよ。
ーー主役も含めてゴチャゴチャしている感じは、先ほど言われたモブシーンのレトロ感にも通じますね。
そうなんです。凄く使い古された表現だけど「おもちゃ箱をひっくり返したような!」っていう『トイ・ストーリー』の世界だったら「カネゴン」も「リカちゃん」も一緒というあの感じです。そういう雰囲気に惹かれるんですね。

3/ソフビについて

ーー改めて今のタケヤマさんが感じているソフビの魅力について教えてください。
好きな小動物のカエルやナメクジ、カメや魚もそうですけど、ソフビって「コイジャラス」もそうですが、自分の中でぺットみたいな気持ちが少しあるんです。ただペットは生き物ですが、ソフビは遠慮なく触れますよね。それは自分の中の幼稚性だと思うんですけど、私にとってのソフビは、コレクションとか飾るモノではなく、手にして触り心地が良いとか、そういう所がいいんです。あとは先ほども少し触れましたが「中空だからそこに色んな人の思いが入る」所が良さだと思うんです。これはアメリカのフィギュア文化=PVCの塊とは違って、中空だからこそ自分なりの思いが入る。なんかそんな気がしています。
ーーなんか名言が出ましたね。そんなソフビですが、制作について聞かせてください。原型として気をつけていることや、こだわりなどいかがですか?
私の場合は、ベースとなるイラストを描かせていただき、原型師さんと打合せするので、簡単にいうと私とコミュニケーション取れる方、仲良くやれる人、縁があるなど、そこがこだわりといえばそうですね。
ーー先ほど未彩色が好みだと言われていましたが、では彩色の時に気をつけていることや、こだわりなどあれば聞かせて下さい。
彩色で言うと、やっぱりマルサンやブルマァクみたいな怪獣ソフビのスプレーに行きがちですが、結果的に「かわいければ何でもいいかな?」という感じで、そこはハッキリと決めずにフワッとさせている所がこだわりと言えばそうですね

4/今後について

ーー今後の活動の方向性や希望などありましたら聞かせて下さい。
作家としての第2章は、現在に寄り添いながら、もともと持っているレトロ感を活かしてとか、基本的にはこれまでとあまり変わらないと思います。ただ先ほど言った通り、若い作家たち、特に「ソフビをやりたい!」と思っている子たちには特に、自分の背中に……「ついて来い!」とまでは言いませんが、ウォッチしてもらって「ああやってやるのか!」って見よう見まねしてくれればいいと思っています。そうすれば知りたい子、やりたい子は自然と集まってくるでしょうから。
ーーそれは先生をした経験があればこその発想ですね。
将来の目標ということになるのか分かりませんが、例えば若い子が「ピコピコになりたい!」とか、そういう目標になってもらえるような人間になれればと思っています(笑)。
ーー期待しています!
(2018年6月1日/都内某所にて収録)

「エビ沢キヨミのそふび道」を終え、改めてソフビ界でお馴染みの人物、タケヤマ氏とはどのような人物なのか紹介! アーティスト、タケヤマ・ノリヤ氏Interview
↑こちらもタケヤマ氏デザインの「キノコのソフビ」だ!

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