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映画『少女椿』Blu-ray&DVD発売記念! 『キャラクターランドVol.6』掲載のTORICO監督×ピコピコ氏の超ディープな『少女椿』対談を改めて紹介!

映像化不可能と言われた丸尾末広ワールドを豪華キャストの競演で実写映画化したTORICO監督の映画『少女椿』が、2016年11月23日にVAPより待望のBlu-ray&DVDが発売! このタイミングで、2016年4月1日発売『キャラウターランドVol.6』(徳間書店刊)に映画化&「VAGワンダー正光」発売記念として企画&掲載された、TORICO監督 × ピコピコ氏対談をここで紹介! というのも、ともに大の丸尾末広ファンなTORICO監督とピコピコ氏による映画や[VAG]の対談は、とても内容がディープ! そのためBlu-ray&DVDを見ながらだとちょうどいいのでは? と勝手に判断して再掲載! ぜひBlu-ray&DVDを眺めながらご覧ください。

映画『少女椿』Blu-ray&DVD発売記念!
映画『少女椿』
Blu-ray&DVD/2016年11月23日VAPより発売!
■Blu-ray/VPXT-71471/5,184円(税込)/ディスク:1枚(本編90分+特典映像)/本編:片面二層/カラー/MPEG4/AVC/1080p High Definitionビスタサイズ/日本語DTS-HD Master Audio5.1ch(本編のみ)/日本語リニアPCM2.0ch/日本国内向/複製不能
■DVD/VPBT-14500/4,104円(税込)/ディスク:1枚(本編90分+特典映像)/本編:片面二層/カラー/ビスタサイズ/日本語ドルビーデジタル5.1ch(本編のみ)/日本語ドルビーデジタル2.0ch/NTSC/日本市場向/複製不能
※特典映像:メイキング映像、劇場予告編(Blu-ray&DVD共通) 仕様・特典等は予告なく変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
DVDレンタルも同日スタート(本編のみ)

TORICO監督×ピコピコ氏
取材協力:大怪獣サロン

TORICO
映画監督、ファッションブロガー、ファッションデザイナー■監督デビューの短編『ミガカガミ』(2004公開)が7カ国111か所の映画祭で招待上映され国内映画祭で準グランプリ受賞。 初の長編映画『イケルシニバナ』(2006年公開)が7カ国の海外映画祭へ正式招待される。ホラー漫画の巨匠・御茶漬海苔氏、ビジュアリスト・手塚眞氏など数々のクリエイターの作品に女優として出演。2012年インターナショナルモード誌『NumeroTOKYO』のブログ開始。2013年アーティスト・明和電機のブランド「MEEWEE DINKEE」のデザイナー&ディレクターに就任。監督の衣装も同ブランド製で「SUEHIRO MARUO OP」など、ショップでは多数の丸尾末広アイテムを発売中! TIRICO公式サイト

怪獣芸術家ピコピコ
怪獣芸術家■1996年の初個展「ピコピコ展」から本格的に創作活動を開始。自身がデザインするオリジナル怪獣をぬいぐるみ、立体作品、着ぐるみ、絵画などで表現し続ける。個人的に1日1怪獣を心がけ10年で約3000体もデザインするなどアイデアは底なし。2004年、ソフビ仲間との出会いからソフビも展開。2014年放映のTVドラマ『ST赤と白の調査ファイル』に登場したガッキーくんのデザイン&造形を担当。現在、氏の造形作品は、オリジナルを展開する各メーカーから引っ張りだこである。ピコピコ新聞

――最初に『少女椿』という作品への想いを聞かせて下さい。
監督 私は丸尾先生の作品が好きで全部持ってるんです。先生の作品はエログロに注目されがちですが、それを“陰”とすると逆に“陽”の要素も凄くあって、それは絵の美しさや構図だと思うんです。そういう相反するものがひとつになることで、作品の奥行きが凄く出る。そこが凄く好きなんですね。

――1番最初に読まれたのはどの作品だったんですか?
監督 『少女椿』です。友達から「絶対好きだから」って勧められたんですが最初、衝撃的すぎて具合が悪くなり読むのを止めました(笑)。しばらくしてもう1回読んだら慣れてきて、中毒性があって、もうバイブルになってしまったんです。

――ピコピコさんは?
ピコピコ ボクも丸尾さんのことは好きで、大学では現代文学を専攻で、卒業論文は「漫画でもいい」と言われたので丸尾末広がテーマでした(笑)。『少女椿』は丸尾さんの初めての長編で、未だに代表作だと思いますね。

――今回の映画ですが、まず監督から製作の経緯を聞かせて下さい。
監督 前作(2006年公開『イケルシニバナ』)の時、すでに原作権を持っていたので、次に撮ろうと思っていました。この映画、もう3回ぐらいプロデューサーが変わってるんですけど、最初の会社では制作費が集まらないと言われて……もっと低予算で製作するはずだったんです。でも「きちんとしたバジェットでやれるまで我慢した方がいい」というアドバイスもあって、7年ぐらい前から色んな会社を回っていたんですね。

――それで時間が過ぎていったと。続けてこれた監督のモチベーションの凄さを感じますね。
監督 不思議なもので、私はやめようという気持ちはなかったです。前作の後、5本ぐらい別の映画の予定があったんですが全部消えてしまって……自分で『少女椿』の権利を持っていたからというのもありましたね。この原作は、発表されてから(青林堂より1984年発売)、何度も映画の話はあったみたいですが、出ては消えての繰り返しだったみたいで、今回の実写映画まで30年ぐらいかかっているんです。私は青林堂さんが原作権を持ってらした時に頂いたんですが(現在、原作権は青林工藝舎)、そこで「丸尾先生ががっかりされるので、出来ないならやめてほしい」とまで言われたんです。でも私は「やります!」って。結局、何年も待ってもらいましたけど(笑)。

――そういう運命だったんですね。実際に映画製作で、どんな部分にこだわったのか聞かせてください。
監督 とにかく丸尾先生と話をしました。私は昭和初期が好きで、色んな文献を調べるんですが昭和7年~13年が昭和の1番美しい時代と言われているんです。文献の写真は全部セピアだけど昭和初期の頃の絵は凄く極彩色だし服も奇抜なんですね。残された写真からセピアなイメージだけど、実際はそうではない。そこが丸尾先生と共通な思いだったんです。そのイメージを出すため建物など美術は色を濃い目にしたり、役者さんたちもそれに負けない色にしたり、色へのこだわりは凄くありました。ただ全部カラフルだと丸尾作品ではなくなるし、ずっと極彩色だと目が慣れてしまうので、暗闇の“陰”からパッと原色を“陽”として出すみたいに、色が映える絵作りをしています。また丸尾先生が描く構図は素晴らしいので、出来る限り原作の構図のまま撮っています。

――そして完成した映画への手応えを聞かせてください。
監督 7年前に声をかけたスタッフ、例えば特殊メイクさんは当時、映画とかやってなかったのに、今は学校を経営されるほど有名で、もう現場に出ない立場だけど参加してくれたり、CGさんも昔から話をしていたから「やる」と言って下さったり。おかげで普通の製作予算の5倍ぐらいのことが出来たんです。だから「もうこれ以上やれない!」という気分、それに尽きますね。

――そんな映画をご覧になられてピコピコさんいかがでしたか?
ピコピコ 原作を再現するシーンもそうですが、膨らませてあるシーンもあるので、原作を知っている人にも、まだまだお楽しみがあります。あと(手元の原作を指して)ここが1番よかった!! このシーンがたっぷり見れるから嬉しかったです(笑)。
監督 そこは特殊メイクさんがそこだけはやりたくて……本当にちょっとまずいんで言えないんですが!
ピコピコ たまっていたものが爆発するというストーリー上、1番盛り上がる所が、本当におもしろく描けていたので感動しました。
監督 多分『少女椿』のファンは結構、ここですよね。
※シーンは監督とピコピコさんの会話からご想像ください。

――次にピコピコさん、グッズについて聞かせて下さい。担当までの経緯を教えて下さい。
ピコピコ メディコム・トイさんへ打ち合わせで行ったら、たまたま堀越プロデューサーが別件で来られてて、映画化の話を聞かせてもらって「丸尾さんの大ファンなんです」というやり取りがあったんです。すると「ピコピコさんでグッズ」という話になり、冗談だと思っていたんですが、何度か[VAG]をやらせてもらっていたので、その流れで本当になったという。

――監督はピコピコさんと聞いていかがでしたか?
監督 うれしかったです。ピコピコさんの存在は、お友達のロックバンド・RIZEの1番好きなPV『KAMI』に着ぐるみで出ていたので知ってました。色彩感覚がポップで……色彩はポップにするほど、下手すると下品になるので難しいと思うんですけど、凄く良かったんです。そのピコピコさんだから楽しみでした。

――実際のデザイン作業で、ご苦労された点などあったら教えて下さい。
ピコピコ 自分と丸尾さんの世界は全然違うので「原作に寄せて」だったらそのまま造形すればいいけど、メディコム・トイさんは「ピコピコ風」と言うので悩みました。思い入れもあるし、断ることは出来ない。結局は「自分なりに」ということでした。

――そこでワンダー正光を選んだのはピコピコさんですよね。
ピコピコ 当然、普通はみどりちゃんですがガチャで出れば、かわいいけど「それ以上がない」と思ったんです。そこで原作の瓶に入ったワンダー正光の登場シーンが印象的なので瓶をカプセルに見立てれば、再現出来ると思ったんですね。それにワンダー正光は個人的に1番、好きなキャラクターだし陰の主役ですから。

――キャラクターを決めた後は、スムーズに作業できたんですか?
ピコピコ いえ、形でまた考えました。丸尾さんの世界はレトロな部分があるし、私もどちらかというと造形が古臭いから「レトロ感しかない」と思い、昔のカンパニーキャラのような形に落とし込もうと考えたんです。
監督 先にデザインを見ていたので、立体で「こんなに変わった」って2度、楽しめました。デザインの時は、ちょっと遠かったけど立体になって凄いワンダー! おもしろ~い!!
ピコピコ これがワンダー正光に見えるかどうか、結構ドキドキでした。サンプルが出来て大怪獣サロンに飾ったら、初めて来店したお客さんが「ワンダー正光ですよね?」って気づいてくれたので「良かったぁ~」ってホッとしました(笑)。
監督 (ピコピコさんへ)カラーリングについて質問してもいいですか? 通常のパターン以外の4つは、どうやって決められたんですか? 赤いのは悪魔ですよね?
ピコピコ そうです。あと白は白塗りの前衛舞踏的な感じで、黒は黒人歌手、シルバーは宇宙人です。
監督 あーそういうことかぁ、やばい! やっぱりそういうイメージがあるんだ。

――そんなワンダー正光の完成の手応えを教えて下さい。
ピコピコ ワンダー正光に見えるかどうか以外、不安はなかったですね。後は「丸尾ファンじゃない人でも欲しくなる」という所もテーマで、そこはいけるんじゃないかと!

――それでは最後に監督とピコピコさん、ワンダー正光を手に入れたファンや、映画を楽しみにしているファンに向けてひと言お願いします。
監督 『少女椿』のファンは多いですが、まだ知らない人もいるし、知ったら好きになるかもしれません。映画や[VAG]のテーマは、そんな方に知ってもらうことだと思うんです。アングラとかサブカルとか言われる原作ですが、それって何なんだろうと常々思ってて、これがメジャーになれば、そうじゃなくなるのかなと思うけど、作品自体は変わらない。好きな作品を自分だけのものにしたい気持ちは誰にでもあると思いますが、作品は丸尾先生のものだし、先生が望むのであれば、私はいろんな人に知っていただきたいと思います。
ピコピコ 右に同じ! メジャーになるというのは凄くいいことだと思いますね。

――これをきっかけにさらにメジャーへですね! 映画公開が楽しみです。本日はお忙しい所ありがとうございました。
(2016年3月9日収録)※初出『キャラクターランドVol.6』(2016年4月1日発売)『そふび道』

vag_wander
↑「VAGワンダー正光(少女椿)」は、ピコピコ氏がスタッフでもあるカフェ&バー・大怪獣サロンにあり! 1回500円(税込) 問合せ先/大怪獣サロン:TEL.03-5942-7382 daikaijusalon@yahoo.co.jp Twitter / @daikaijusalon

映画『少女椿』
映画『少女椿』DATA
イントロダクション■
 1984年に丸尾末広原作の「少女椿」(青林工藝社刊)が発刊されて以来、アニメ映画・舞台化されて高い評価を受けたものの、その内容表現が海外の一部地域では上映禁止となるなど、物議を醸しだした。原作発刊から30年もの間、何度も実写映画化が試みられたものの、その世界観を描くむずかしさゆえに企画が立ち消えとなっていた。そんな中、短編映画『ミガカガミ』でモントリオール他、国内外の映画祭で数々の賞を受賞した監督TORICOが、7年もの間映画化に奔走し、ついに自らの手で実写映画化を実現させた。
 今回、怪しげな世界に翻弄される主人公の少女みどりを演じるのは中村里砂。モデル・タレントとして活躍中の彼女が、今回、初演技でありながら、映画デビューで初主演を飾るという、大きな挑戦をしているのも見もの。そんな彼女を支えるのが、演技派として高い評価を受ける『猫なんかよんでもこない』の風間俊介、アーティストの武瑠(SuG)、グラビアでも話題の『花鳥籠』の森野美咲、若手俳優の注目株で『アキラNo.2』の佐伯大地、個性派俳優として注目を浴びる『新宿スワン』の深水元基、そして作家としても活躍する中谷彰宏といった面々が共演している。
 主題歌には、歌とアコーディオンで大きな注目を浴びている姉妹音楽ユニット、チャラン・ポ・ランタンが担当し、本映画のイメージに合わせた曲「あの子のジンタ」を書き下ろしている。

STORY■
 狂っているのは、私か、あなたか。
 母親の病死で一人ぼっちとなったみどり(中村里砂)は、赤猫サーカス団団長の嵐鯉治郎(中谷彰宏)に拾われる。サーカス団には、怪力自慢の赤座(深水元基)、美少年のカナブン(武瑠)、蛇使いの紅悦(森野美咲)、足芸の鞭棄(佐伯大地)、異人の海鼠、蟻男といった個性的な連中が顔を揃えていた。その中で下働きするみどりは、苛めにあいながらも女優を夢見て毎日を送っていた。ある日、ワンダー正光(風間俊介)という西洋奇術と称した超能力を使う男が入団する。不思議な力は話題となりサーカス団は連日大入りになる。みどりは彼の優しさに心を寄せていくが、そんな二人の関係を面白くない鞭棄は、力づくでみどりをものにした。それを知ったワンダー正光は激怒し、超能力で鞭棄を殺害する。その光景を目撃したみどりはワンダー正光に恐怖を覚え避けようとするが……。

キャスト■
中村里砂 風間俊介 森野美咲 武瑠(SuG) 佐伯大地 鳥居みゆき(友情出演) 深水元基 中谷彰宏
スタッフ■
監督・脚本:TORICO 原作:丸尾末広「少女椿」(青林工藝舎刊) 撮影:曽根剛 美術:佐々木健一 美術デザイン・監修:宮下忠也 衣装デザイン:武田久美子 音楽:黒石ひとみ 主題歌:「あの子のジンタ」チャラン・ポ・ランタン(avex trax) 2016年/R15+ 全国劇場公開作品
公式サイト■http://www.shojotsubaki.com
© 2016『少女椿』フィルム・パートナーズ

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