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恒例のメディコム・トイ2016年の上半期を振り返る 赤司竜彦 Interview

sofvi.tokyoで紹介するデフォルメタイプのソフビが毎月当たり前のように発売され、もはやソフビ界も安定しているような状況だが、それは果たしてそうなのか? もはや年末ですが、恒例の「メディコム・トイ2016年の上半期を振り返る」インタビューで赤司竜彦氏にご登場いただきメディコム・トイソフビの2016年上半期を振り返ってもらった。ソフビ界が抱える問題点や、新たに誕生したスターなどについて、その胸中を語っていただいた。COLUMN「メディコム・トイのソフビ百科2016上半期編」とともにご覧下さい! ちなみに前回の「2015年下半期編コレクション」インタビューはこちら!

恒例のメディコム・トイ2016年の上半期を振り返る 赤司竜彦 Interview

1/2016年の下半期を振り返る

――最初に2016年上半期を振り返っての感想をお願いします。
メディコム・トイだけに限らず、国内メーカーさんの各ブランドが充実してきたこともあり堅実に推移するキャラクターのラインと、今年になってアジア圏のアーティストがもの凄く増えた印象があって、時々飛び道具のように出てくるラインが交差したような印象ですね。ただ大きなトピックということでいうと……上半期はオルタナ的なソフビは出てこなかった印象がありますね。

――確かにその印象は強いです。全てが安定してて、もはやあって当たり前な印象が強いといいますか
今って色んなソフビが手に入ってファン的にはうれしい反面、全部買えないから選んで買うようになっている。「全部買う!」という気持ちを持つことは決してヘルシーではないので、これは凄く良いことだと思うし、本当に自分にとって美味しいモノを買っていただきたいと思いますね。

2/2016年下半期の各シリーズなどについて

――各シリーズについてお聞きします。メインの[東映レトロソフビコレクション]では、『変身忍者 嵐』の化身忍者などがラインナップされたのが印象的でした。すでに『超人バロム・1』もスタートしていますが『ライダー』以外の東映作品は今後もラインナップされますか?
東映に関しては、原型・熊之森恵先生のあくなき追求というか、そこが大きい気がします。半年に1度、次の編成を決めるんですが、そこでは手堅いモノと実験的なモノを上手く混ぜて、どこまでお客様に興味を持っていただけるか? 私たちも常に模索している所はありますね。

――東映という枠の中で色々な手探りが続いているということでしょうか?
そうですね。先日、来年1年分の編成を作って熊之森さんに見せたら「いじってもいいですか?」って、更に新しい企画が出てきて「ウワー!」って。アグレッシブですよ。また「え、こんなの作るの?」というのが発売されます。このラインに関しては実験的なことが出来るぐらい器としては大きくなっていますからね(笑)。

――それを聞いて安心しました。ソフビって1990年代のホビーブーム以降、上昇と下降を繰り返してきた歴史があるので、低迷しないか常にドキドキしていますので(笑)。
これで「仮面ライダー」の色変えばかり出し始めたら「危険だぞ!」ってことでしょ、私もそう思います。でも大丈夫ですよ(笑)。

――東映以外だと[タイガーマスク復刻ソフビシリーズ]が完結しましたが、その一方でWWFなどのレジェンドレスラー、『キン肉マン』、『ゴジラ』、『ウルトラ怪獣』などのほかシリーズも安定期に入ったようにも見えます。またアニメ版『タイガーマスク』に関しても少々、落ち着いている印象も受けていますが?
アニメ版『タイガーマスク』は、電人さんのローテーションが年6体で、実はこれ、ここ2~3年は変化してないんです。またアメリカンプロレスのWWF時代のキャラクターは、メディコム・トイスタッフに大好きな者がいて、ライセンスを取れる所から進めているので「次はこれなんだ!」って私も楽しませていただいております(笑)。

――なるほど! レスラーシリーズでは「ジャイアント馬場」選手が発売されて勝手に一区切りついた気分になっていました(笑)。
いえ、いえ。この後もアクティブに発売されるので期待していただいて大丈夫です。

――ほかの確実にファン層のある『キン肉マン』、『ゴジラ』、『ウルトラ怪獣』などはキャラクターがある限りリリースが続く感じでしょうか?
そうですね。

3/メディコム・トイのソフビラインで活躍する人物と現状抱える問題について

――ここではメディコム・トイさんのソフビラインを支える、あべ♨︎とおる氏、安楽安作氏、ドリームロケットの矢嶋淳一氏について聞かせて下さい。
ある意味、皆さんはもの凄く求道的にソフビを作って下さっていると感じます。アイテムによって売れる、売れないというのはありますが、そこを差っ引いても堅実にスケジュール通りにモノを出しながら「次にこれをやりたい!」と意欲的です。特に矢嶋さんは、原型師でありながらハンサムタロウエムさんなど、違う原型師さんを使われて、いわゆるコーディネート的なこともされていますから大変ですね。そんな矢嶋さんとは「今後どうソフビと対峙すればいいのか?」ってわりと真剣に話すことが多いんですよ。それこそ極論ですけど「一緒に工場をやりましょうか?」とかね。

――え? ついに工場まで!
あくまで極論ですよ……。少し話が逸れますが、いわゆる工場問題はやはり大きいです。特にワックス変換やかん着、金型製作など、各メーカーさんが切実に困ってる感じがしています。成型もそうで皆さんからよく「工場ないですか?」と聞かれますよ。でも成型に関しては、新しい工場も増えているから、その都度ご紹介してます。ただ新規で「ソフビを作りたい!」という方がいて、現状だと金型屋さん、成型工場さんが、ご新規さんの相手が出来ないほど、トラフィックな状況が続いています。この辺をどうすればいいのか? まだはっきり言えませんが、色んな所でご相談を受けたり、ご提案いただいたりしています。でもこの問題は解決までもう少し時間がかかりそうですね。
ホビーブームだった1990年後半当時から根幹的なテーマとして工場の高齢化は言われていました。それから、もう17〜18年経って、誰もがその分歳をとっている。極論を言えば、そうした工場はいつ仕事を辞めてもおかしくないんです。「じゃあどうする?」となった時、具体的な答えを誰も持ってない。実はここに1番の危機感を感じています。数少ない職人さんの取り合いになる環境は、あまりヘルシーではないですよね。そこを上手く解決出来る施策や方法論は無いのか? というテーマがありますね。新しく「ソフビをやりたい!」という時、すぐ出来て、かつその工場の繁忙期と閑散期で上手くバランスが取れて、仕事が途切れることのない環境が出来ることが出来ればね。そんな生産のためのインフラ作りは、特にこの1〜2年で、かなり具体的に考え始めてる方も増えています。そこでウチも何が出来るのかということですよね。

――(まだ明かせない現時点での色んな試みの事例を聞かされ)全ては今後に期待ですね! なかなか興味深い!!
そっちはそっちでおもしろいですよね。だいぶ話が逸れましたが、そして安楽さんとあべさんですね。

――今はすでに安楽さんが発売されることが当たり前になっています。
数年前ではとても信じられない状況ですよね。でもご本人は、凄くアクティブで「今は、こんなことをやりたい!」って常に前向きに色々考えられていますよ。おもしろいのは、安楽さんって凄くデジタルに興味があるんですね。

――勝手に安楽さんは、アナログ派だと思っていたので意外です!
「デジタルについて勉強したい」とおっしゃってました。それはデジタルだけで作るということではなく、上手く織り交ぜてという気持ちだと思います。アナログといえば、あべさんはそういうイメージが強いですよね。ウチのライン然り、ご自身の会社ビッグワンクラフトさん然り「そんなに作って大丈夫?」というぐらい作ってますよね。ご本人にそういう気持ちはないと思いますが、凄く昭和のマンガ家さんっぽいんですよね。

――なんとなく解ります。週刊と月刊で月産100ページ以上の連載を、アシストントなしでひとりでこなすイメージですよね。
以前、あべさんに「アシスタントを付けた方がいいのでは?」と提案したことがあるんですが「いえ、大丈夫です!」って、未だにひとりでやられている。凄く楽しそうなので、素直にがんばって欲しいなと思っています。

――次にgumtaro氏について聞かせてください。今年から本格的にメディコム・トイさんと絡まれたことで、凄く意欲的に活躍していた印象があるんです。
gumtaroさんは、作り始めると終わるまで手が止まらないタイプの作家さんですね。ゲームが好きとおっしゃってたんですが「原型を作る時は一切やらない」と言われていたんです。確かに上がるまでのスピードから考えると、原型以外何もしてない。そのため造形は、凄く濃密な感じがしています。勝手にピコピコさんやエレガブさんのように下敷きに怪獣のあるラインから来たネクストジェネレーションだと思っています。

――確かに。そして今名前の出たピコピコ氏についても聞かせて下さい。2016年上半期は、ピコピコ氏の活躍が大きく膨らんできた印象があります。
キャラクターデザインと造形の両方出来るタイプの作家さんで、ガッキーくんで1度ブレイクスルーした後、「今後どうやっていくべきなのか?」など色んな事を考えたんじゃないかなと思うんです。今ウチで「MEDICOM TOY 20th ANNIVERSARY EXHIBITION」で、まだピコピコさんがそう名乗る前に製作した大きな球体関節のお人形をお披露目しましたが、それをフルソフビで製作中なんです。「やはりソフビでやりたいですよね?」という話になって、随分と工場を探しました。ようやく工場は見つかったけど、割とどの工場も「関節の処理が解らない」ということでした。するとピコピコさんが「10年前に買った赤ちゃんの球体関節ソフビ人形を持っている」というので、それをお借りして……みたいに試行錯誤しながら進んでいるんです。名前はまだ決めてないというので「ギャルソン・ドゥ・エスカルゴとか、そんな感じにしましょうか?」という話をしました。上手くいけば来年頭ぐらいで発表できると思います。またママチャップトイさん、MaxToyさん、One up.さん,LULUBELL TOYSさんとウチと、ピコピコさんの立体をソフビ化したメーカーさんを一堂に会した個展をMEDICOM TOY PLUSで企画しています。ピコピコさん「ピコピコ名義」になって何年になるのかな? 「その節目で1回やりましょう!」ということで、ふんわりと各メーカーさんに聞いたら「ぜひ」と言ってくださったので、来年どこかのタイミングで出来ると思います。

――ピコピコ氏の集大成になる展示になりそうですね。
そうですよね。

――ちなみに赤司さんがソフビの現場をご覧になってて、この上半期に「この人!」と思う方がいたら教えてください。
KENTH TOY WORKSさんですね。ほかにもメーカーならduneさん、ショップなら山吉屋さんなど、この上半期を見ててがんばられている印象が強いです。

4/[VAG]について

――次に今年はまた[VAG]の勢いが加速した印象でした。そんな[VAG]について上半期の印象を聞かせてください。
上半期ではないですが先日発売した[VAG]第8弾は、発売初日と翌日で3万個を売って、2日目には増販のお話をいただきました。もう普通に売れていますね。決して日和ったキャラクターではないので「売れて良かった、追撃の手を緩めんぞ!」みたいな感じです。すでに今後の編成がふたつ決まっているので、次もおもしろがってもらえると思います。ちなみに第9弾はすでに発表されましたが「平成怪獣大進撃」という非常にベタな内容です(笑)。安楽さんの「初代ゴガメジラー」、こなつさんの「ネゴラ」、ゾルメンさんの「円盤怪獣マザー」完全縮小版、それにT9Gさん&ナカザワショーコさんの「ランジロンBABY」です。[VAG]に関しては私も、さらに加速した印象を受けてて、そのおかげでキャスティングも含めて、スタートした2年前なら出来なかったことが最近は出来るようになってきましたから。

――シリーズが大きくなると、新たにキャスティングのプレッシャーなどが出てきたりしますか?
それは全然ないですね(笑)。だってこのラインの企画は「もっと売らなきゃ!」と考え始めたら絶対失敗しますから! 自然体でやっていこうと思っています。

――また[VAG]で言うと「ガッキーくん」以降、再販などで初めて「バイロンBABY」が一気に注目を集めましたね。
間違いなく2016年の上半期のMVPは、いろんな意味でナカザワショーコさんだと思っています。本人すら気付いてないブレイクスルーの背景みたいなのがあって、MEDICOM TOY PLUSでの「S×T TOKYO at MT+」や、その前からの「バイロン」や、その後にT9Gさんとコラボした「ランジロン」発表のタイミングの絶妙さ、みたいなところもあったりしますね。多分、ナカザワさんは今後もう2段階ハネますよ。ひとつは12月発売の『TEHON』にキャスティングされましたが「なんて絵を描くんだ!」って、みんなが凄いカルチャーショックを受けたんです。これは私の勝手な想像ですが「この人は目にカメラが付いているタイプなんだ」だと思いました。例えばギャグマンガの作家さんは、カメラを固定位置に据えて描いていますが、彼女の『TEHON』だけ全ページ、もの凄いアングルで描かれていたんです。そしてもうひとつ、まだ発表出来ませんがソフビ業界外で凄いプロジェクトが動いてます。すでにナカザワさんにとってソフビのフィールドは、狭いと感じているので、そちらも楽しみなんですね。

――いいことですね。ようやくソフビ界から飛び出してくれる才能が現れたということでしょうか? 
本当にピコピコさん、ナカザワさん、ふたりが先陣を切って道を作っている感じがします。実はピコピコさんの次にナカザワさんというのは、意外な感じもしていましたが、多分というか確実におふたりの人間性もあると思いますね。ピコピコさん然り、ナカザワさん然り、本当に良い方ですから。

5/イレギュラーやMEDICOM TOY PLUSの展開について

――そして次にメディコム・トイとしてのイレギュラー展開についても聞かせてください。上半期は『アストロミュー5』が完結したり、『ハゼドン』などがありました。今後何か目星をつけているアイデアなどはありますか?
前回『アストロミュー5』の素体を使った展開について発言しましたが、意外と手数がかかるので……中嶋製作所さん(現・ナカジマコーポレーション)とのお仕事は今後も続く予定ですが今の所、この素体の予定は無いです。でも、ひとりこの素体を使うことを考えているアーティストがいました! 来年あたりサプライズあり! という感じですので期待して下さい(笑)。

――解りました! 次に上半期といえばMEDICOM TOY PLUSがオープンしました。ここでは限定ソフビも精力的に展開されています。
ここでの限定に関して言うと「何かのお披露目のステージに出来たらいいな」みたいな希望があります。安楽さん初の限定だったり、ナカザワさん初の個展だったり、今後はピコピコさんの個展をやりたいとか、コムロタカヒロさんのソフビはここでしか売らないなど。全ての中で少しスペシャルなモノの発信や「この場所だったら何かやりたい!」みたいなご提案など、色んなことがあるので上手いタイミングでマッチする企画が出来たら、ここへ編成してゆくという感じです。具体的に言うと、ソフビではありませんでしたがNAGNAGNAGさんの「BE@RBRICK」をPLUS限定でやったら、変化球っぽい企画でしたが非常にご好評いただいたりしたんですね。今後もここから色々、出てくると思いますので期待して下さい。

6/各メーカー&アーティストとのコラボについて

――もはやコラボする作家さんも少ないのでは? と思いましたが上半期も次々と新たなコラボが生まれました。恒例の初コラボだった方についてひと言いただければと思います。

1/かけるり・味怪獣キツネウドン(関東風)
かけるりさんはイベントで「雀力士」を初売りした時に見て「おもしろい着眼点でモノを作られているな」と思いましたね。当時は確か彼は、携帯も無ければメールアドレスも持ってなくて「なんでだろう……」と思って、そこがおもしろかったんです。もちろん今は、ありますけどね。最初「雀力士」でコラボしたいと思ったのですが、彼から「あれは雀なんで色違いはやらないのです」と言われたので、次を待って「キツネウドン」になったんです。彼は関西出身だから「ウチは関東味をやらせてください」って黒っぽいバージョンになったんです。

2/AL GANGU・ようかいけむり オフィシャルソフビ其の壱(夜光)くらやみでひかるよ!
最初「WF」会場でお会いして「少年科学社 ロボーグ&ロボーガー」を購入した時「何かやりましょう」とお話しして、では「最初に作った『ようかいけむり』から」と、確かそんな感じだったと思います。

3/玩工房PLAY STUDIO・怪力乱神シリーズ 黒鬼忍
PLAY STUDIOさんはangelabbyさんからの紹介でした。具体的に「これをやりたい」ではなく「何かやろう」と話し始めた所からですね。そこで「怪力乱神シリーズ」があるから「だったらウチは黒でやりたい」という感じでございました。

4/KIN29TOY・キン肉マン胸像ソフビ (ペイントVer.)
これはおもしろい部署から話が来たんです。ウチの「FABRICK」部門のスタッフがKIN29TOYのスタッフと仲が良くて「何かやりたい!」という話から「ウチで彩色していいか?」ということになって、肌色成型を受け取ってウチが全部彩色したんです。これに関しては、彩色が結構大変だったみたいな記憶しかないです(笑)。

5/BSTC・ROMEO(宇宙水爆篇)
これはBSTCから、突然ワックス原型が送られてきたので「何かやってあげなきゃ……」って所から実現しました。実はその後も作ってて、幾つか原型を見せてもらいましたが、なかなか「ROMEO」のインパクトを越えられない。まあ来年あたり「次のが出せるかな?」という感じですね。「また突然ワックスが届くのかな?」みたいな(笑)。

6/OMO CORPORATION・サイコアーマーゴーバリアン
OMO CORPORATIONさん名義だと、実は1番最初にやったのは「モンベモン」なんです。この「サイコアーマーゴーバリアン」に関しては、お話をいただいて、原型はあべさんだし、どうウチのラインと棲みわけようと思いつつ、なんとなく上手く落とし込んだみたいな感じでした。OMO CORPORATIONさんの発売が同じような時期だったので、ちょっとややこしかったですね(笑)。

7/スカルマーク・スカルワールドウォーリアーズ “スカル・ウィッチ”
スカルマークさんはオーサムトイさんからのご紹介でした。オーサムトイ自体が常に際の際を狙ってボールを投げてくるタイプのメーカーさんで「何かご一緒出来ることがあったら」という所でスカルマークさんとご一緒した感でした。

8/バケタンブログ・どうしても干支にはいりたい・バケタン1号(BLACK)、バケタン1号(BAKE BOY RED)、干支のネコ(ボン)、干支のネコ(ビビ)
私も猫好きですから凄く気になっていました。ただ、なんとなく出店や露出の方向性が、ソフビの人とは違うので「なんだろう?」と思っていたんです。最初は「デザフェス」出店を知りブースへ行くと、いらっしゃらない。結局その「デザフェス」でお会い出来なかったんですね。そこでメールを辿ってご連絡したら「遊びに行きます!」という事でおいでいただき、ようやくお会いしたんです。そこで「干支の猫」をコラボして[VAG]に繋がっていくんです。バケタンブログさんに関しては、不思議な縁でしたね。

9/ゴッコ堂・クサイクソプス
ゴッコ堂さんは、実はお付き合いが凄く古いんですよ。昔『TRICK』の阿部寛さんと、仲間由紀恵さん演じたキャラクターのデフォルメデザインがあって、2010年にウチでフィギュアを作らせていただきましたが、そのデザインがゴッコ堂さんなんです。当時は知りませんでしたが、そう考えると『TRICK』でご一緒したのが最初で、その後[VAG]をやって、凄く変な繋がりで「クサイクソプス」を今年ご一緒したという感じでしたね。

10/ゴロー・ゴロニカシリーズ 超合拳リキダイザー3
出会いについては前回のインタビューで詳しくお話したので、そちらを見ていただくとして「超合拳リキダイザー3」は物凄い応募総数でビックリしました。どうしても「自分で全部、塗りたい」ということだったんです。でも全て手塗りだから作れる数が限られてしまう。彩色のひとりに対して応募総数が800倍ぐらい、例えば10個しか作れないのに8000通応募が来るみたいな感じでしたね。

11/マガイドウ・若冲の象(オリジナル/桃源郷/翡翠)
マガイドウは5年ほど前に「ジゴクゴン」の和物&洋物と2種のソフビを製作し、その後1回ブランドが休止して、また久しぶりに「若冲の象」や「メジェド様」で復活したんですよね。「メジェド様」といえば今度、フジテレビで『神々の記』という「メジェド様」主役のアニメが放映されます。ここで「メジェド様」以外のキャラデザインをこなつさんが手がけているんです。本当に、こなつさんや先程言ったピコピコさん、ナカザワさんなど、この辺の方々は、ちょっと違うステージへ行っている感じがしますね。この『神々の記』で「何かやりませんか?」とお誘いいただいたので、ソフビは関係ないですが、ウチから森川智之さん歌う主題歌をNY@BRICK付きで発売することになりました。またそれだけじゃつまらないので、すでに座組が決まっているけど「幻のエンディングテーマ付けていい?」と提案したらOKになったので、それをサイバーニュウニュウが歌っています。ただし幻なのでオンエアされません……みたいな(笑)。マガイドウさんとは、そんな企画でご一緒しています。この「メジェド様」に関しては、ぬいぐるみやクッキーなどがお化けの様に売れているんですよ。だから上手くいけば「ふなっしー」みたいになるかもって話をしています。

12/sio/ENIGMA・MAHARAJA(2種)
確か「スーフェス」でT9Gさんからご紹介いただいたのが最初です。造形物を見るとT9Gさんのテイストもありつつ、独自の線も持っていたので「おもしろい!」と感じました。ブースには「MAHARAJA」の原型も飾ってて「凄くいいね」という話をして、そこからです。それで『キャラクターランド』さんの「トラウマ妖怪立体化計画」で石原豪人さんの挿絵をこなつさんでリメイクして、sio/ENIGMAさんへ原型をお願いすることになるんですね。彼はかなり色んなメーカーさんからオファーを受けているようなので、今後色んな所から彼の造形物が出てくると思います。

13/縁起物百貨店(ケンエレファント)/MAO MAO UAMOU(red color ver.)、招き化け猫 又之助(red color ver.)、CO-RET/コレット(red color ver.)、大福(red color ver.)、マネキマクリマロボ(red color ver.)
確かご紹介いただいたら即、社長さんがウチに遊びに来られたですよ。ケンエレファントさんは、ソフビの廃材を使ったアクセサリーを制作するプロジェクトを進めてて「これは凄く日本っぽいね」という話をしながら、とりあえずご一緒しましょうと、それをC.J.MARTで販売したのが最初でした。そんな出会いがあって今度「縁起物百貨店というブランドを立ち上げたい」ということになり、せっかくなので『MEDICOM TOY MANUAL VOLUME Ⅲ』で誌上限定をお願いしたんですね。

――ほかにも赤司さんの目から見て、現在気になっている国内メーカー&作家さんがいらっしゃったら教えてください。
「もっと世に出れる!」と思っているのはKIKKAKE TOYさんです。過去にコラボして「また何かやりたいね」という話はしていますが、本業が物凄く忙しいみたいなんですね。次の次ぐらいの[VAG]でラインナップしています。あとは以前話したMILKBOYTOYSさんですね。コラボをお願いしてて6月の「MEDICOM TOY 20th ANNIVERSARY EXHIBITION」で未彩色を展示してて、年内ぐらいにようやく発表出来るかな? という感じです。あとDANさんですね。彼女も凄くおもしろいハネ方をしている感じがします。今後、彼女デザインの[VAG]や「BE@RBRICK」などが発売されるんですけど、それ以降も色々と出てきそうな感じがしますよ。今は国内だと、この3ブランドですね。

――同様に海外の作家さんはどうですか? 最近海外だとアジア圏で作家さん急激に増えている感じがします。
中国に工場を構えるUNBOX Industriesがひとつのファクターとなって、アジア圏でのアーティスティックなソフビがバーっと出ています。「いいな」と感じたソフビは出来るだけ拾う準備をしていますが、個人展開が多いのか、発売したのかしてないのか? どう売っているのかよく解らないことが多いので、今はなかなかコラボ企画を固めにくい印象が強いですね。

――それでは最後に今後予定している新作など開かせる範囲でいいのであったら教えてください。
[東映レトロソフビコレクション]に関して言えば、今まで以上にアグレッシブな展開が待ってます! という所とか、後は来年のピコピコさんの総決算後に彼がどうなってゆくのか? 多分もう一歩違うステージへ行けそうな感じがしているので個人的に凄く楽しみなんですよ。後はこなつさんやナカザワさんも、すでに違うステージへ行っているので「今まで以上に頑張って欲しいな」みたいな所だと思います。
(9月28日/メディコム・トイ本社にて収録)

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