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ショップ・留之助商店が超気になる新作を準備中! 開発途中の原型を紹介!!

超コアなSF関連グッズや早くからアートソフビなど幅広く取扱う老舗ショップとしてファンの多い留之助商店から驚きの情報が到着! なんと「『月光仮面』生誕65周年記念ソフビ・マンモスコング」を製作中なのだ! 『月光仮面』に登場する「マンモスコング」は日本のテレビ放送作品初の怪獣ということでも知られる存在! そんなチョイスも注目だが、ここで原型を担当しているのが、MIROKC-TOYの金子ヨヲヘイ氏という点もソフビ者としては見逃せないのだ! なぜ「マンモスコング」だったのか? そこには留之助商店による「マンモスコング」への熱い想いがあったため! その熱い思いにより、どのようなコンセプトでソフビ化にあたったのか? 留之助商店から想いと製作経緯、そしてコンセプトなど、詳しい解説と貴重な資料、そして完成した原型写真が届けられたので、ぜひ紹介したい。


金子氏によるラフ原型


金子氏によるデザインスケッチ

「テレビ放送黎明期の1958年から1959年に、平均視聴率40%を誇った日本初の連続テレビ映画『月光仮面』。全5部作られたうち、『マンモスコングの巻』は11話構成の第3部にあたり、1959年に放送されました。記念すべきテレビ史最初の怪獣の誕生です」


当時のテレビのタイトル画面

「テレビの前にかじりつき、月光仮面の活躍に興奮したり、マンモスコングの猛威に恐れ慄いたのは、留之助が小学1年の時。巨大怪獣の存在を信じ込むにはもってこいの年頃でした。
それからしばらく経って10代半ばのころ、再放送を観た時には、まったく別の理由で感動したものです。巨大なマンモスコングの足元でうろつく悪人たちや、マンモスコングの頭にまたがり急所の角を切断しようと奮闘する月光仮面が、目を凝らして見るまでもなく、ちゃちなマリオネット人形だったことが分かったり、いちばん微笑ましかったのは大きな口を開けて咆哮するマンモスコングの、その口の中にキグルミ役者さんの顔が見えたことでした。

大人目線で接したマンモスコングは、すっかり騙された子供のころの自分を愛おしく思い出させてくれたばかりか、あの時代に、乏しい材料で精一杯リアルなキグルミを手作りし、あるいはそれを演じたのは、どこの誰だったのだろうかと、新たな興味を抱かせてくれたのです。

数年前、マンモスコングのソフビ化の構想を練っていた時、別のメーカーさんに先を越されてしまいました。それはテレビのマンモスコングの特徴を見事に捉えた雰囲気たっぷりの名品でした。並みの発想では太刀打ちできないと悟り、いったんは刀を鞘に納めることにしました。

しばらくしてキグルミ役者さんについて調べると、同じ人がキグルミそのものも自作していたのが分かりました。その人の名は高木新平(1902年 – 1967年)さんといいます。東宝の大部屋で出番を待つ無名の俳優さんでした。

黒澤明監督の『七人の侍』(1954年)をはじめ『蜘蛛巣城』(1957年)や『用心棒』(1961年)にも出演されています。中でも高木さんの最も印象に残る出演作といえば『七人の侍』で、農村を襲う野武士たちの頭目を熱演していました。映画のクライマックスで三船敏郎演じる型破りな侍、菊千代と相討ちする壮絶シーンは忘れられません。そんな方が『蜘蛛巣城』と『用心棒』の間に『月光仮面』で大暴れしていたのでした」


高木新平氏

「マンモスコングのソフビを作るなら、キグルミ役者の高木新平さんに敬意を表する特別な作品にしたい。またテレビのマンモスコングをそっくり再現しては、既存のソフビと似たものになってしまう。そこで取り出したのは留之助が小学1年の時、親に買ってもらい、いまだに大事にしている鈴木出版の絵本『月光仮面 マンモスコングの巻』でした。月光仮面の生みの親、川内康範・原作、湯川久雄・作画の白黒テレビでは不鮮明なマンモスコングの毛並みまで詳細に描かれた絵本の怪獣を下敷きにしよう」


鈴木出版の絵本『月光仮面 マンモスコングの巻』

「MIROCK-TOYの金子ヨヲヘイさんに原型彫刻をお願いする際、ふたつ、要望を出させてもらいました。
ひとつは、ソフビ・マンモスコングの大きな口の上の歯と下の歯の隙間はくり抜いて、そこからキグルミ役者の高木新平さんの顔がチラッと覗くようにしてほしい。もちろんマンモスコングの頭を取り外したら、そこには高木さんのリアルな顔があるようにしてほしい」


製作中の高木新平氏の頭部原型

「もうひとつは、体長15メートルといわれるマンモスコングを縮小するのではなく、高木新平さん(=一般的日本人)の身長を基準に1/6のサイズでキグルミを再現してほしい」


完成した「マンモスコング」の頭部原型

「ケミカルウッドの “サンモジュール” を使ってマンモスコング本体を、さらに細密な表現が可能なインダストリアルクレイ “NSP” で高木さんの顔を、金子さんは見事に手彫りで完成させてくれました」


毛並みのディテール

そして完成した原型は、まさに鬼気迫る全高34cm! ただ今、ソフビ専門工房で蝋型製作が進行中という。役者さんの頭部がのぞけたり、絵本の「マンモスコング」をベースにした毛並みの表現など、随所に散りばめられた熱いこだわり。そんなこだわりを見事の造形してみせた金子氏の原型。この「『月光仮面』生誕65周年記念ソフビ・マンモスコング」は、原作好きはもちろん、その世代以外の怪獣ソフビ好きにも刺さること間違いなしな仕上がりでは!!
2023年10月中旬にはサンプル完成予定。ソフビには、鈴木出版の好意から、留之助少年の心を捉えた絵本『月光仮面 マンモスコングの巻』の縮刷版(ミニ本)が同梱されるという! 「なんとか『月光仮面』生誕65周年の年内に、留之助商店製ソフビ・マンモスコングの初号を発売できそうです」とのこと。もっと詳しい経過報告は留之助ブログにあるので、ぜひ一読すべし! とにかく完成した「『月光仮面』生誕65周年記念ソフビ・マンモスコング」を早く見たいぞ!
●問合せ先/留之助商店
©︎ 川内康範/宣弘社

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