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SwimmyDesignLabがスタートさせた新プロジェクト「ENKA VINYL」とは?

先日、スクープしソフビ界をざわつかせたSwimmyDesignLabがスタートさせた新プロジェクト「ENKA VINYL(エンカビニール)」! 改めてコンセプトを紹介すると
「昭和から続く日本固有のメディア=“ソフビ”。ENKA VINYLは、ソフビの特性を最大限に生かした“ソフビ”を作ることを目指して生まれました。ルーツである昭和の雰囲気を大切にした、ソフトビニールの素材を感じられる、ソフビで作る意味があるソフビ。ENKA VINYLは、そんな“ソフビらしいソフビ”を作っていきます。まだソフビ化されていないキャラクターの製作も積極的に取り組んでいくので、どうぞご期待ください」
というモノ。これは完全にソフビがメインだった1960年代〜1970年代への原点回帰で、ロゴに描かれた「日本製玩具」「ショウワ99ネンソウギョウ」などまさにそれを証明している。今的なソフビのトップブランドのひとつとして注目を集めてきたSwimmyDesignLabが、なぜこのようなプロジェクトをスタートさせたのか? 興味津々な「ENKA VINYL」について、以前からの予告通りSwimmyDesignLab代表・吉水卓氏にインタビューさせていただきました。スタートのきっかけ、内容、どの様な展開を考えているのか? 様々な質問に対して、思っていた以上に深い回答をいただき、「ENKA VINYL」が新たなソフビ界の起爆剤になる予感が満々となったインタビューとなりました。ぜひご覧下さい!
ちなみに先にスタートしていたInstagram(@enkavinyl)に続いて、2024年7月16日には公式サイト・ENKA VINYLも堂々オープン! 
直近の活動などはインタビュー最後に紹介しています。ついにそのベールを脱ぎ始めた「ENKA VINYL」は要チェックです!
●問合せ先/ENKA VINYL

「もっと王道の作り方でソフビを作りたい」と思ったことがきっかけでした
SwimmyDesignLab代表取締役・吉水卓氏インタビュー

――ENKA VINYLをスタートさせた経緯を教えてください。
SwimmyDesignLabでは、もう7〜8年ぐらいソフビを製作してきました。でも、それらは量産を前提にしてないんですね。

――と言いますと?
彩色など物凄くこだわった手作業なので量産できない。販売方法が抽選なのも、数を絞りたいわけではなく、そういう理由からなんです。ただ抽選にすると、応募数と実売数で100倍以上違ってくる。それだとファンの手に渡らない。お客さんの話ですが、その方は最近のファンで、とても熱心にウチのソフビを集めてくれているんです。でも全部、2次マーケットで購入したので、1体が物凄く高額なんだけど、ソフビはそれが当たり前という感覚なんです……それを聞くと考えてしまいますよね。そもそもソフビって、彩色に彩色マスクを使用したりして、量産が前提の商品だと思うんです。原型とかも……ウチのソフビは、私の絵が基調だから、それで作らざる得ない。つまり「こうした方が立ちやすい」とか、いわゆるソフビ原型のセオリーから外れているんです。だからもっと「王道の作り方でソフビを作りたい」と思ったことが、このENKA VINYLを立ち上げたきっかけでした。コンセプトの「ソフビらしいソフビ」とは、そういうことなんです。

――量産できる商品ということですね。まさにソフビの原点回帰ですね!
ENKA VINYLでは、新しいラインを4つ考えています。ひとつめが[ダイナミックな全てコレクション]! ここではダイナミック企画さんのキャラクター……未だにソフビ化されていない、名前を聞いてもすぐ思い浮かばなそうなキャラクターを延々と発売したい。「デビルマン」「ガラタK7」「マジンガーZ」のほか「ゲッタードラゴン」も進行してます。あと(準備中の様々な原型写真を見ながら)……珍しいところだと「マシンザウラー」や敵の「デスクロス」など。「キューティーハニー」も作ってて、連載最初にしか出ない敵の「ブラッククロー」などもやってます。そしてふたつめが[みんなの”カワイイ”ミドルシリーズ]という全高は13cmぐらいで展開するミドルサイズの怪獣シリーズ。これは「ウルトラ」系で「バルタン星人」「ガボラ」「ヒドラ」「ドラキュラス」「キングボックル」「ベムスター」などの原型が進行しています。みっつめが[ゴジラ大パレード]というシリーズ。この「ゴジラ」ですが、みんな同じフォーマットにしてるんです。モデルにしたのはマルサンさんの最初の「ゴジラ」で、そのボリューム感で考えつつ、頭部を大きくしているのでプロポーションなど違いますが……。

――原型が細身なんですね?
私自身もコレクターなんですが、個人的に「ゴジラ」や、怪獣を買いたいけど買えない……それは飾る時、横に大きかったり尻尾が長くて飾り辛いからなんです! だからここでは、尻尾をギリギリまで短くするなど、並べて飾りやすくするため全部、横幅も手の幅、足の幅で入りきるよう意識して造形しているんです。

――コレクターであるが故の発想ですね。
「ゴジラ」とか、同じフォルムで「スペースゴジラ」もあります。ほかにも「キンゴジ」や「GMKゴジラ」なども進行しています。このフォーマットで「ゴジラ」スーツバリエーションを全種、作りたいと思ってるんです。そんな3ラインほかプラスαということで、作っていく過程で「これ違っちゃった……」という[超スーパーソフビシリーズ]ですね。これは初ソフビ化だと思いますが、この「魔王ゼノン」も今回作りましたが、製作段階で無理をやりすぎて、原型がより複雑な表現になってしまったんです(笑)。これだと彩色マスクは厳しいので、従来の手塗りになってしまう……。だから[超スーパーソフビシリーズ]は、こうして「ごめんなさい」の抽選販売になってしまうシリーズです。

――キャラクターチョイスが「ゴジラ」や「ウルトラ」、ダイナミック企画系がメインなんですね。
それはシリーズを長く続けていきたいし、続けられるコンテンツということで選んだからです。

――これらの原型師さんは、どのような方がされているんですか?
「キューティーハニー」のみ、これまでお願いしてきたMIROCK-TOYの金子ヨヲヘイさんですが、ほかは専属で森茂雄さんに全て作っていただいています。

――どのようなキャリアの方なんでしょう?
60代の方なんですがソフビ原型の人ではなく、陶芸家として活動される方。実は怪獣がめちゃくちゃ大好きなんです。

――これまで原型など手掛けられた経験はあるのでしょうか?
ソフビ原型としては今回初めてです。今まで陶芸で怪獣を作ってて以前、某メーカーのリアル造形のガレージキット原型を作ったことがあるとうかがいました。得意なのがどちらかというとリアル造形なので、おまかせするとバリバリにリアルな造りになるので、この「ゴジラ」など「このテクスチャを緩めてください」とお願いしました。こちらでソフビっぽい造形にディレクションしています。

――おもしろいですね。陶器家さんは最初のマルサンさんの原型師さんも瀬戸焼の方ですよね。ENKA VINYLの原型師さんが陶芸家というのも活動コンセプトにぴったりですね。
そうですよね。森さんはリアルタイムでマルサンソフビ体験者で、初めて買ってもらったおもちゃがマルサンの「ゴジラ」と「エビラ」と言ってました。ただ、ほんとうに造形は、めちゃくちゃ上手いですよ。

――発売ペースや販売方法などは決まっているんですか?
[ダイナミックな全てコレクション]は毎月1体以上、「みんなの”カワイイ”ミドルシリーズ」は、2~3ヶ月に3体づつ、[ゴジラ大パレード]も2~3ヶ月に1体という感じで考えています。販売は基本的に受注生産を考えています。ただ受注は、どう転がるかわからない部分もありますが、せっかくやるので長く続けていきたいし、原型を作ってくれる方、塗装工場、成型工場などソフビの製作はたくさんの方に支えられています。その雇用も安定させないといけない、と考えているのでウチも作り続けないといけない。それもあって今回は今まで以上に作品と向き合っています(笑)。「ゴジラシリーズ」から円谷プロさんの『ウルトラQ』〜『ウルトラマンタロウ』まで映像を全部揃えました。それとAmazonで手に入る原作本など、全て押さえています。本当は向き合うのが当たり前なんですけどね(笑)。

――本気度がすごい! それに原型師さんの雇用まで考えられているとは……。お話をうかがってると、クリエイター的な方向へ向かってきた最近のソフビから、逆にメーカー的になろうとしている風に感じます。それはもしからしたら、これからの時代を先取りしてるようにも感じますね。
本当ですか! 基本的にマルサン・ブルマァクの怪獣ソフビが好きだし、いい文化だと思うので残ってほしいんです。だから現行モノを見ていると、やっぱり思考が皆さんとは違うかな? という印象を受けます。彩色ひとつとっても、その成型色になっている理由ですよね……。通常は成型色で「〜〜カラー」と言いますが、最近は成型色関係なく、全部くるみ塗装してしまうので、何色かわからないカラーも多い。またパーツ分割に関してもそう思うんです。だからENKA VINYLでは、必要のない分割はしないようにしています。

――今クリエイターソフビの先頭を走ってきたSwimmyDesignLabさんが、そう考えられていることは本当に独特だと感じました。
結局ソフビは本業じゃなかったというのがあるからかもしれないです。本業はブランディングコンサルですから。そのためソフビに力を入れることが出来なかったんです。SwimmyDesignLabの社員を動かしてやるなら量産できるラインを作らないとビジネスのテーブルには乗らない。もっとマーケットが活性化してくれないと裾野が広がらないし、ビジネスとして成り立たないですから。

――ぜひソフビ界の新たな起爆剤になることを期待したいです。ちなみにイベント出店など考えているんですか?
ENKA VINYLをスタートさせるにあたり、今月末の「ワンダーフェスティバル2024[夏]」、9月と来年1月の「スーパーフェスティバル」、来年2月の「ワンダーフェスティバル2025[冬]」に来年4月の「スーパーフェスティバル」までイベント出店するつもりです。イベント出店はこれが初で今まで7年間イベントなどに出ていなかったので、買ってくれている方と交流出来る場が欲しいんです。

――今月末の「ワンダーフェスティバル2024[夏]」では何か販売されるんですか?
原型のお披露目がメインですが、何も売り物がないのもつまらないので、この「デビルマン」「マジンガーZ」「ガラダK7」の蓄光素体を販売します。今後もイベントでは、蓄光素体の販売を予定しています。値段も全体的に普通にソフビを好きな人が買える金額で考えています。

――それは本当にうれしいです!
これまでだと、例えばウチの「メカゴジラ」で6万円です……さすがに高いと思いますし(笑)。 なのでENKA VINYLは各シリーズでスタンダードサイズの塗装版は15,000円ぐらい、ミドルサイズは7~8,000円ぐらい、スタンダードのサイズの未塗装版は8,000円ぐらいで考えています。これでも、ひと世代前の怪獣ソフビの値段から考えると高いですが……今の時代を考えると、これがギリギリかなと思いますので、ゆるしてください。

――ちなみにこれまでのラインはどうなってしまうんですか?
来年4月で一回お休みしようと思っています 1〜2年になるのか? わかりませんが……。

――今後の展開など開かせる範囲で聞かせてください。
来年の3月までイベント出展や、コラボレーションなどまだ発表してない企画が色々進んでいますので楽しみにして下さい!
――注目させていただきます!
(2024年7月3日/SwimmyDesignLabにて収録)

■ENKA VINYL直近の活動について

■「ENKA VINYL」第1弾発売情報
[ダイナミックな全てコレクション]

「#1 デビルマン」/16,500円(税込)/全高約240mm

「#2 ガラタK7」/16,500円(税込)/全高約260mm
販売方法/2024年7月27日〜2024年8月28日までENKA VINYL公式サイトにて受付の受注販売(2024年11月上旬より順次発想予定)

■「ワンダーフェスティバル2024[夏]」情報
[ダイナミックな全てコレクション]


「#1:デビルマン (ブルー蓄光素体)」

「#2:ガラタK7 (ブルー蓄光素体)」

「#3:マジンガーZ (ブルー蓄光素体)」
2024年7月28日の「ワンダーフェスティバル2024[夏]」SwimmyDesignLabブース(3-22-11)にて数量限定で販売予定。なおブースには今後発売予定の原型も展示予定。
© Go Nagai/Dynamic Planning

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