- 2024-7-20
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- DesignerCon, Don Kratzer, エビ沢キヨミ, ドン・クラッツァ
近年、国内外で幅広く活躍するクリエイターの数が圧倒的に増えている。海外イベントも多く開催され、まるで国内イベントへ出店する気軽さで参加するクリエイターも多い! そんな中、オリジナルの海外イベントとしては最大規模なのが、毎年11月ごろに開催される老舗イベント「DesignerCon」! 2018年からメディコム・トイもオフィシャルパートナーとして参加したことで、世界のトイファンからの注目度がさらに高まったイベントだ! 2024年11月には、これまでの開催地アナハイムからラスヴェガスに会場を移して初となる「DesignerCon 2024」が開催! ここで現在、アジアエリアのプロモーションオーガナイザーとして活躍しているのが、自らもブランド・FIG-LABを率い、古くから国内ソフビ事情に精通するアメリカ人、ドン・クラッツァ氏だ。「DesignerCon」主催のベン氏は日本やアジアで活躍するアーティストへの関心が高く、自身のイベントをより盛り上げるために、多くの参加を求めていることから、その窓口をドン氏に依頼! 年末に開催予定の「DesignerCon 2024」では、アーティスト&クリエイターを、まだまだ募集中というのだ! そこでsofvi.tokyoは「DesignerCon」はどういうイベントなのかに始まり、日本から参加するには何が必要なのか? などの細かな参加ノウハウをご教授いただきました! 参加ノウハウはお馴染み・エビ沢キヨミ先生でわかりやすくマンガで説明しています! このインタビューや特にエビキヨ先生のマンガではとてもわかりやすく解説しています! この記事を見て興味があったら、ぜひドン氏にコンタクトしてレッツゴー「DesignerCon 2024」!
インタビュアー/Sofvi.tokyo編集部、エビ沢キヨミ(イラストとマンガも)
問い合わせ/Don Kratzer(ドン・クラッツァ)don@designercon.com
■「DesignerCon」とはどんなイベント?
日本とアジア担当 Don Kratzer氏Interview
――「DesignerCon」とはどんなイベントなんでしょうか?
簡単に言うと「DesignerCon」とは世界で1番大きなアートとトイとアパレルのイベントです。
――アパレルもあるんですね。確かにブランドではTシャツなどを作っている方もいますよね
ライフスタイルですよね。この3つが基本柱で、1番のポイントは皆さんインディーズ系で活動されている方たちということ。たまにメーカーも参加しますが、基本的にインディーズ系ですね。
――イベントの印象を日本で例えると「デザインフェスタ」でしょうか?
似ているといえば似ています。主催者のベンさんと、よく話をしますが「デザインフェスタ」はプロフェッショナル&アマチュア問わずですよね。でも「DesignerCon」はもう少しプロフェッショナルなアーティストが集まっている。例えていうなら「ワンダーフェスティバル」の企業ブースがイメージに近いかな? だから「デザインフェスタ」と「ワンダーフェスティバル」の間ぐらいの印象だと思います。
――アートだと、どのようなジャンルの作品があるんですか?
イラストも多いしペイントも多いですね。例えばルーク・チュウ氏は知ってますか? 最近、アメリカでかなり流行ってます。彼なんかファインアーティストで、もうギャラリーが付いてて、最近はオーストラリアやヨーロッパなどで個展を開催している。その一方でおもちゃも大好きでキャラクター系、例えば「ノットベア」フィギュアも発表している。そういう感じのアーティストが多いですね。
――皆さんのオリジナルなんですよね?
そうですね。それは「DesignerCon」の特徴です。 昔よく「サンディエゴコミコン」へ行ってたんですが、その中にインディーズ系ディーラーもいたんです。ただ「サンディエゴコミコン」は、どんどんインディーズ系を縮小して、そこへ出店していたインディーズ系がみんな「DesignerCon」へ流れてきたんです。それで「DesignerCon」もどんどん大きくなっていたんです。
――そんな「DesignerCon」でドンさんはどういう役割なのですか?
私は「DesignerCon」のアジア担当窓口ですね。
――ちなみに「DesignerCon」は、世界各国それぞれの地域担当がいるんですか?
いえ、いないです。そもそも「DesignerCon」の主催チームは、3~4人ぐらいと小さいので、そういう役割は私だけですね。以前から独自に「DesignerCon」へ出ているアーティストもいましたが、今って日本やアジアからインディーズ系で活動する方がとても沢山いますよね。主催のBen Goretsky(ベン・ゴレツキー)さんは 「DesignerCon」を素晴らしいイベントにしたいと考えてて、おもしろいアーティストや ブランドとかを集めることに1番力を使ってるんです。普通だったら出店テーブル数で利益を出しますが、彼は素晴らしいクリエイターを一杯集めれば、素晴らしいイベントになるし、お客さんも沢山きてくれるので、そこで利益を出すことを考えてるんです。今度、会場がアナハイムから新しくラスヴェガスへシフトします。今まで参加してくれた日本やアジアのクリエイターさんは、今まで通り継続して参加してもらい、新たな話題のクリエイターさんを集めるのが私の仕事です。ベンさんはショップ・3DRetroを経営しているので、イベント前は日本やアジアのクリエイター作品の取扱いなどもやってます。
「DesignerCon」主催、ショップ・3DRetroオーナーのベン・ゴレツキー氏
――どんどんクリエイターを探して紹介してるんですね。アジアだと日本以外はどこの国になりますか?
台湾と香港。今週、出張でマレーシアへ行きます!
――マレーシアにもそういう活動されてる作家さんがいるんですか?
いるんです。すでに出店が決まっているクリエイターさんもいますが、ほかにどんな方がいるのかなって。あとはタイ、フィリピン、韓国かな。
――そのアジア圏の中だと出店クリエイターは日本が1番多いんですか?
日本は確かに多いです。 パンクドランカーズさんとか、照紗さんやひなたかほりさんとか。ちなみに照紗さんやひなたかほりさん「DesignerCon」の海外活動をお手伝いさせてもらってます。
――そういえばインドネシアが今熱いと最近聞きましたがどうですか?
インドネシアはクリエイターとか、まだいない感じですが、確かにソフビが今、熱いんです。この間、日本のイベントでインドネシアのバイヤーが凄かったんです。インドネシアは、今とても景気がいいようなんです。
――アジアもソフビの流行りが国から国へと移り変わってますね
本当にバラバラですよね。
――ドンさんが窓口になったクリエイターと、それ以前から参加していたクリエイターとで、トータルして日本&アジア系クリエイターは今の「DesignerCon」にどれぐらいいるんですか?
ハッキリとは言えませんが、全体の5%ぐらいだと思います。アジア系アメリカ人なんかもいますからね。
――参加しているのはヨーロッパやアメリカからのクリエイターさんが多いですか?
たくさんいます! 特にアメリカは広いからとても多いですね。また西海岸は、昔からリトルトーキョーがあったりアジア人が多いんです。ご存じのポール・カイジュウさんは、幼少期にリトルトーキョーで日本のおもちゃを買ってもらったみたいですから。もちろん東海岸からも来てます。やはり「DesignerCon」がアメリカで1番大きなイベントなので、アメリカ中から来ていますね。だから今、アメリカで、ひとつだけイベントに参加するなら間違いなく「DesignerCon」だと思います!
――「DesignerCon」に出た日本のクリエイターさんへの海外のお客さんからの反応はどうなんでしょう?
みんな毎回行ってるので「久しぶりだね」って感じです。パンクドランカーズさんは毎回、長蛇の列!! 私と一緒に行く照紗さんとひなたさんも毎年行ってるのでレギュラーのお客さんがいますよ。毎年行くというのが大事だと思うんです。 私が毎回アテンドしてクリエイターさんと一緒の場合と品物だけ持っていく場合とでは、クリエイターさんが一緒の方が販売数は倍ぐらい違いますよ。やはりお客さんはクリエイターに直接会って買ったらサインもらいたいですよね。
――イベントって、そもそもそういう交流の場ですよね
そうして、自分のファンを作ってゆく。そういう活動は大事だと思います。
■ドン氏が語る「DesignerCon」参加ノウハウ(ここはエビキヨ先生マンガをご覧ください!!)
――ざっくりトータルだと費用はどれぐらい必要でしょう?
ブース代、渡航費、ホテル代、食事代でざっとですが50万ぐらいあれば……たぶん想像しているような驚くほどの高額にはならないと思います。また予算はいろいろ相談にのるので、ぜひ私に聞いてみてください。
――あと日本のイベントだと午前中にわっとお客さんが並んで一気に売れてしまいますよね。「DesignerCon」もそういう雰囲気はあるんですか?
「DesignerCon」は金曜の夜スタートで、その日の18時からVIPタイムなんです。そこでクリエイターたちは、VIP向けキットなんかを販売してます。そして翌日の土曜の朝9時から10時がまたVIPタイム。基本的にVIPタイムはVIPチケットを持ってる人しか入れません。そして土曜の10時以降から通常入場なんです。そして日曜がゆったりになるんですね。イベントが1番盛り上がるのは金曜夜のVIPタイムと土曜10時以降の通常入場からですね。土曜午前のVIPタイムはそんなに盛り上がりがってないです。だから状況に合わせて日時によって販売方法を変えるクリエイターさんもいます。例えばパンクドランカーズさんの場合、ひとつめの抽選モノを金曜のVIPタイムに。ふたつめの抽選モノを翌土曜の10時以降の通常タイムに販売したりしています。ただこうしたやり方は、それなりに人気のあるクリエイターさんだからできること。初参加で、まだ色々わからないのだったら最初からテーブルに全商品を出しといたほうが無難ですよ。日を分けてキープしても意味なくなってしまいますから。
――あと会場で必要なことはなんですか?
やはり言葉の問題ですね。できれば海外の知り合いやヘルパーさんなど英語の話せるお手伝いスタッフがいた方がいいと思うんですよ。
――そういう部分も相談すれば手配していただけたりするんですか?
今のところ特にそういうシステムは無いんですが、ニーズがあれば考えたいと思います。
――ほかにも会計はドルですよね。ドルに慣れておいた方がいいですか?
アメリカのドルは、難しいんです。全部同じサイズで同じカラーだから、それは気をつけた方がいいと思います。
――皆さんは売り物などは、持って行くんですか? それとも送ってるんですか?
両方です。パンクドランカーズさんはほとんど送ってますけど、クリエイターさんは出来ている分を先に送って、結局ギリギリまで作業して持ってくるという感じですよ。そうそう先に発送してくれる場合、ベンさんの3DRetroの倉庫を使わせてもらうことができます。そしてこちらで「DesignerCon」会場に持ってことも可能です。これは日本やアジアクリエイターさんたちへの特権です!
――そんなことまでしてくれるんですか! 至れり尽くせりですね。そして1番肝心な最後の質問になります。まだ出店は募集中なんでしょうか?
はい。もちろん募集してます! 「DesignerCon」出店に少しでも興味があれば、ぜひ私のメールまで連絡してください。
(2024年7月1日/ドン氏の事務所にて収録)