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マルサンが挑んだ展覧会「ROBOT vs. KAIJU」レポート! 代表・神永英司氏インタビューから紹介!


入り口ではマルサンオリジナルやパネルがお出迎え

かつて「マルサン玩具まつり」を開催した横浜人形の家で、マルサンが新たな展覧会「ROBOT vs. KAIJU」を開催! これは現マルサンが展開する「マルモン」を始め、新たにスタートしたロボット玩具デザインのレジェンド・村上克司氏による「バルコス」シリーズのデザイン原画をメインに歴代のマルサンロボットや「マルモン」など、オリジナルの貴重な資料を展示。なんと2003年展開した[20世紀未来ロボット防衛隊テデロス]のデザイン原画もありました! そんな貴重な展示内容をマルサン代表・神永英司氏のインタビューから紹介! また会場には先日抽選受付も行われた、成型もできる女性アーティスト・久保亜沙香氏の彩色による「Asaka Blue」のサンプルも飾られていた。そこで久保氏に「Asaka Blue」の彩色についてお聞きしてきたので、あわせてご紹介! エビ沢キヨミ先生のイラストコメントと一緒にお楽しみください!
インタビュー/sofvi.tokyo編集部、エビ沢キヨミ(エビキヨ)


村上克司氏による「バルコス」シリーズのデザイン原画

ーーこの展覧会開催の経緯を教えてください。
今回は「ロボットvs怪獣」というコンセプトなんですが、マルサンでは色々と怪獣ソフビを発売する中で、過去ロボットもたくさん発売してます。古くは『ウルトラQ』の「ガラモン」もロボットですよね……あと『キャプテンウルトラ』の「ハック」「ガルバン」。『ウルトラセブン』の「キングジョー」「ウィンダム」「ユートム」などです。怪獣同様にロボットも開発してきて、1960年代後半にマルサンが倒産し、1970年代に入って再建した時[マルサンのウルトラ怪獣シリーズ]というオリジナルシリーズ……今の[マルモン]で「人間ロボット」というキャラクターもありました。また2003年には[20世紀未来ロボット防衛隊テデロス]という、ソフビとプラパーツをミックスしたリアルなメカとロボットのシリーズも展開しました。振り返ると怪獣だけではなく、ロボットも数多くやってきたわけです。そこで「ロボットvs怪獣」はどうかなと思ったんですね。あと今年「バルコス」という超合金やメタルヒーローのデザインでお馴染みのレジェンド玩具デザイナー・村上克司さんデザインのロボットシリーズをスタートさせたので、今後は怪獣と平行してロボットという分野も幅広く手がけよう思ったこともきっかけでした。


マルサンが現在まで発売してきたロボット怪獣のソフビたち。


[20世紀未来ロボット防衛隊テデロス]の貴重な原画

ーーそもそも村上さんとの「バルコス」は、どのような経緯でスタートしたんですか?
村上さんとは、私が2009年に出版した『マルサン物語』という本があるんですが、そこで対談をお願いしたのが最初でした。その繋がりあって今、新製品でロボット企画を考えていた時、村上さんにお願いできるかな? ってお願いしたら引き受けていただけたんです。


『マルサン物語』の表紙に使用されたジオラマも展示!

ーーシリーズでの今後の発売など決まっていたら教えてください。
デザインしていただいたキャラクターをどんどん発売予定です。展示した「2号」や製作中の「3号」、対戦怪獣も今回「ゴラリアン」を初売りして、ほかにも予定しています。他にメカなどもスタンダードサイズではない指人形の「マルパペ」や「マルガチャ」など、バラエティに展開できればと考えています。


「バルコス」シリーズ


マルサンのイベントでお馴染みな指人形「マルパペ」や「マルガチャ」


女優・多部未華子氏出演でも注目された2005年公開の『HINOKIO』にてマルサンは美術協力し、ロボットの小道具を後にソフビ化した


「人間ロボット」(1番下右)もありました!

ーー今回の展示でファンの反応とかいかがでしたか?
過去にマルサンはこの会場で「マルサン玩具祭り」というイベントを開催してきました。それは土日メインの販売イベントだったので、来場するお客さんは、マルサンファンがメインでした。だから今回は、この横浜人形の家の展示を見に訪れたお客さんが、ついでに見てくれることが目的だったので、土日だけでなく平日からの開催にしたんです。もっと一般のお客さんに見てもらいたいんですね。

ーーよりソフビを一般に広げたいということですね!
そうです。一般ファンにもっと見てほしくて、平日含めて限定販売は最終日曜だけにおさえたんです。しかも全てオリジナルのみ! チャレンジでしたが、やっぱり今後、自社コンテンツを増やしたいという中、全て自社製品で、それを沢山見てもらいたいんです。


[マルモン]復刻版や新規造形で発売されたオリジナル怪獣たちが並ぶ

ーーだからオリジナル怪獣の[マルモン]も展示に入ってるんですね。
そうです。多分、今回の入場者数は過去と比べると少ないと思いますが、それも想定内でした。なるべくマルサンを知らない多くの一般の方に「何これ?」って見てもらえたらいいなと。

ーー今回は平日から開催されていたのには、そういう理由があったんですね。
横浜って海外の観光客が多いですから、そうした観光客も平日だと寄ってくれるんですよ。

ーーなるほど! 今後もこういう展覧会は考えてるんですか?
機会があれば、やろうと思ってます。またイベントなど……例えば「スーパーフェスティバル」のマルサンブースを利用してとかも考えています。そうして「ゴジラ」「ウルトラマン」と平行して積極的に自社コンテンツをアピールしたいですね。


造形がとても良い[マルモン]ソフビたち! ぜひまた復刻してほしい!!

エビキヨ 素人質問ですが1970年代頃のマルサンのオリジナル見れて、めちゃくちゃ良いなって思いました。
ここに展示したのは基本的に当時モノで、一部復刻ですね。

エビキヨ それはマルサンに保管されていたんでしょうか?。
オリジナル怪獣は、マルサンに保管されていたわけではなく、1997年に復刻シリーズを始める時に改めてゼロから揃えたモノです。

ーーちなみに[マルモン]での今後の展開は何かあるんですか?
来年「人間ロボット」の450サイズを予定しています。
 
ーーなんと! それは楽しみです!!


ほか新作として今後発売予定の「こばやん版ポンドアラ」と大注目な「MARUMON HAT(怪獣帽子)」



久保亜沙香氏が自ら「Asaka Blue」彩色で仕上げた「トリケラトプス」「ステゴザウルス」「シーブル」「ブロントサウルス」「ボンドラア」「モグリネス」「バンカー星人」「バロン」の8体!

エビキヨ マルサンイズムもあり、亜沙香さんのカラー感もあって、それが混ざり合ってる具合がとてもいい感じになってると思いました。
今まで、ラベンダーカラーが好きで塗り続けてきたんですけど、今回はブルーってことで、それだと「自分らしさが消えてしまう?ラベンダーカラーの時代が、ひとつ終わったかな?」と感じてましたが……。ピンクを入れることで、その部分がグラデーションになってパープル味が出るんですね。結果的に自分らしくできたなって思いました。

ーーブルーは比較的、怪獣ソフビでスタンダードですよね。
エビキヨ このメタリックカラーを選んだのは?

私です。ブルーという大きいテーマをいただいて、あとのカラーは自分で選びました。最近ハマってるのがメタリック系なんです。それでまずベースをブルーで塗って いつもなら「ここの色どうでしょう」とか塗ってみて「どうですか?」って確認するんですが、今回は初めて割と自由にやらせてもらいましたね。例えば、恐竜の背中のピンクですが、最初は背ビレはブルーにしようと思いましたが「そこもピンクにしよかな」とか、最初はピンクにしたけど、ブルーを足そうかな? とか塗りながら考えて、最終的にとても気に入ってます。

エビキヨ 初めて全部自分で!となると彩色設計のアイデアは完全に久保さんなんですね!
確認取らずに自分で全部したのは初めてですね。自分で決めて塗っていいという空気だったので塗ってしまいました。信頼感もあったのかなと思うと、ちょっと嬉しかったですね。少しシルバーも入れてるんですが、ポイントでシルバーを吹くのもハマってるんです。造形で盛り上がっている部分にハイライトとしてシルバー入れると、立体感が出てくるんです。

エビキヨ 彩色を手がけて何年目ですか?
初めてが2019年だから、もう5年ぐらいです。1番最初はデザインだけで、彩色は工場にお願いしていたんですが、コロナ禍になりイベントなどが出来なくなり、時間があったので塗り始めた感じでした。彩色も最初は工場で緊張しながら、スプレーも全然、思った部分に当たらないし、失敗しても修正できるけど、重ね塗りの場合、拭くと下地も落ちて修正し辛くなるから、ずっと緊張してました。ただ、そういうのも最近は、なくなってきて楽しくやれています。

エビキヨ 確実に腕が上がってますね。
スプレーも思った所に当たる! 彩色ペースも以前より早くなってる気がします。前はただただ緊張してて、目とか描く時、最後に目つき棒で瞳を描きますが、眼の部分の筆塗りで失敗したら、もう終わりだから、緊張して手が震えてたりとかしましたからね。

エビキヨ それは怖い!でも今はもう楽しく塗れてて……となるともう職人ですね! 繊細でリアルで吸い込まれるような美しさと思いました。
ありがとうございます。感謝しかありません。もっと頑張ります!精進します!

ーー今後の彩色などの活動予定はあるのですか?
具体的には秘密ですが、いろいろ考えてるので楽しみにしててください。

エビキヨ 期待しています!

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