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「ワンダーフェスティバル2025[冬]」03/ソフビ界が隆盛な今だから改めて聞きたい! 老舗3ブランドを直撃!

■M1号

今、インディーズでさまざまに製作されるソフビたちの源流は、1960年代から1970年代にかけておもちゃ界を席巻したさまざまなソフビたち。中でもこの時期にマルサン・ブルマァクから発売された怪獣ソフビは、当時起こった第1次&第2次怪獣ブームを牽引した。『ウルトラシリーズ』など様々な怪獣たちがソフビ化され。1971年放送の『帰ってきたウルトラマン』では、多くの登場怪獣がソフビ化された! そんな怪獣ソフビで当時未発売だった怪獣を、当時風スタイル=デフォルメ造形で新規原型で1991年から製作をスタートさせ現代に蘇らせたのがM1号だ! つまりM1号は、ソフビ界の中でも強固な人気の1ジャンルであり、現在まで続いている怪獣ソフビの最重要メーカー! ちなみに代表・西村祐次氏は、映画&TVなどの特撮作品プロップや、マルサン&ブルマァクなど当時モノのソフビコレクターとしても世界に名を轟かせている、またマルサン&ブルマァクなど当時の怪獣ソフビの彩色スプレーに関してそのパターンを研究。M1号製ソフビはもちろん、現在まで続くブルマァク復刻シリーズも近年まで彩色サンプルを担当した。そのカラフルな仕上がりは、怪獣ソフビのスプレーワーク第一人者としても国内外で知れ渡っているのだ。
最近のソフビ界ではデフォルメ造形のスタンダードサイズ(全高約23cm)な怪獣ソフビが再び隆盛を極めている印象が強い。そこで怪獣ソフビ最重要メーカーであるM1号に、改めてそうした怪獣ソフビの魅力について直撃してみた!

ーー改めてM1号の考えるソフビの魅力を聞かせてください
M1号のソフビは出来るだけ昔のマルサンやブルマァクの要素で仕上げたいので、そんなに難しいことはやらないようにしてます。今回の「ガメラ三輪車」は、今は新春だから金色にしてみました。ただ、それだけだと物足りない。そこで第1作目の『大怪獣ガメラ』は、北極から出現してるので雪の結晶のペンダントと一緒にしてみたんです。ほかにも今回、以前イベントで発売した「居眠りピグモン」もがんばって何個か塗りましたね。

ーーいいですよね
今回はほかの仕事もあって、あまり準備できなかったのですが、春のイベントではもう少し沢山販売出来るように準備しています

ーーそれは楽しみです。やはり[3輪車シリーズ]ですか?
いろいろ考えています。

ーー最近[3輪車シリーズ]が多かったので、久々にスタンダードサイズの新作がみたいです!
エビキヨ この「ガメラ三輪車」のペンダントは本当にかわいいですね
がんばってます。ライセンスの許諾待ちだったりとかいま色々あるんですけど、少しづつやっていきますから。楽しみにしてください!


上段左から「ガメラ生誕60周年【ガメラ三輪車】ゴールドカラー雪の結晶ペンダント付き」の「金くるみ緑よごしカラー」と「金くるみカラー」。「三輪車シリーズ ガメラ三輪車」2種(ブルーグレー、イエローグレー)・下段左からハワイピンクカラーの「ヘドラ三輪車」、「ニセゴジラ三輪車」、「’74ゴジラ三輪車」、「メガギラスゴジラ三輪車」、イエロー成型の「カネゴン三輪車」など


手前が眠り眼に彩色された、かわいい「居眠りピグモン」。後ろが「ゴジラ生誕70周年記念限定カラー【初代ゴジラ】」だ!

■デンボク

デンボクブースのソフビ!

1990年代後半のホビーブームを経て、2004年デンボクを結成!毎回「ワンダーフェスティバル」の当日ライセンスシステム(実行委員会がライセンス元よりこの日のみ販売許諾を得るライセンス取得代行システム)を使い、手塚治虫氏原作などのキャラクターからお手頃サイズで魅力的なソフビをリリースし続ける老舗ディーラー・デンボク。いつもかわいい仕上がりと、製作する時のアイデアなど「なるほど!」と思わせてくれる部分が多い人気ディーラーだ。ソフビ界では、老舗となるキャリアとなるデンボクに、改めて活動継続の理由や、現在の制作コンセプトなど、興味のあった質問をぶつけてみた。

ーー毎回とても魅力的なソフビのデンボクさんには、改めてソフビの魅力を聞かせてほしいです
え!? 10分、考える時間をください……(苦笑)

ーーでは質問を変えます。なぜ作り続けるのでしょうか?
それは多分ね、寂しいからですよ

ーーえ!? 寂しい?
私なんかソフビを作ってなかったら誰も相手にしてくんないもん。少なからず自分が作ったソフビを「好きだ」って言ってくれる人がいるっていうことが支えになってるんです。ただ自分は実力は全然ないと思っているので、いつも恥ずかしい……。

ーーえーー! そんなことないですよ!!
いつもイベント出店の時「今回は、誰も来てくんないんじゃないか……」とか思うんです。 それでもね、今日もそうだけど何人かのお客さんに「いい!」って褒めていただけると「まだ、やっていいんだな」って思うんです

ーーこんなにかわいくて、すごい出来なのに!? 今のようなサイズ感でマンガ系のソフビを展開されてるのはデンボクさんだけですよね
以前はスタンダーサイズ(全高約23~26cmぐらい)で製作していましたが、それだと経費とかで効率が悪いんですよ。だってたくさんのキャラを作りたい。例えば 1回のイベントで新規に2体ぐらいスタンダードサイズで作るより、このサイズなら4体、製作できますからね

ーーなるほど! 
そういう理由もあるんですが、手間だけはスタンダードサイズと全然変わらない。むしろパーツ分割されてない分、彩色が難しいので、このサイズの方が大変だったりします。だから自分の中では、物価高騰で商品価格が上がってるけど、自分の工賃は全く変わらない状態で製作を続けている感じなんです

ーー完全な家内制手工業ですよね
今の流行から全然ズレていると思ってます。マンガ原作のキャラクターを製作するメーカーさんって、ほかだとビックワンクラフトさんぐらいかな?

ーーそうですね……
エビキヨ ひとつ質問させてください。本当にセレクトが意外で驚かされます!
基本的に売れなかったらそれでもいいと思ってますから(笑)。例えば4体作ったら、牽引力……今回だったら例えば「写楽」の2体セットのついでに「パンチくん」を買ったお客さんが、古本屋で『ガムガムパンチ』を購入して読んでくれるとか、その入口になれたらいいなと思うんです。そしたら同じマンガ好きな仲間ができて「あれ、おもしろかったよね」って話ができますから。でも、みんな知らない……。 「今回は『ガムガムパンチ』から『アルマイ国のあたらしい勇士』を作ったよ」って言ったら「それ、古い方の勇士は『ブラック・ジャック』で心霊医療やってたあいつだよね」とか話をしたいじゃないですか!?

エビキヨ  確かに読みたくなります。あの……「P」のあの子が分からないんですが……
『ガムガムパンチ』の「パンチくん」です。「パンチ」の妹で「ピンコ」というキャラクターがいて、一緒に原型作ったんですが金型を作るとき「この『アルマイ国のあたらしい勇士』を混ぜよう!」と思って 暴走したんですよ。こっちの方が面白いでしょ?どさくさに紛れたからこそ単独では難しいのを作る事が出来ました

エビキヨ すごい! 探して読みたくなるというのがすごいです! 『ガムガムパンチ』めちゃくちゃ読みたくなりました!!
ーーぜひ読んでみます!


今回の目玉!『ガムガムパンチ』から「アルマイ国のあたらしい勇士」!


左から『ガムガムパンチ』の「パンチくん」、『三つ目がとおる』の「写楽」


肩に羽織る広がる学ランがカッコいい「写楽」! これは切った学ランのビニールパーツを首のかん着ではさんで再現。こういうアイデアが凄い!


かわいい「ユニコ」もありました!


次回用として展示された原作版「ジェッターマルス」! これまたかわいい出来なのだ!

■ベアモデル

会場で発売された「トンダイル」。『ウルトラマンタロウ』第8話「人食い沼の人魂」登場の「大蛙怪獣」で、東京近郊の地底で何千年も間眠り続けていた。赤い瞳は、まるで人魂のように見えるため「人食い沼」には人魂伝説があるのだ! 造形やカラーなどとてもいい感じだ

近年はメディコム・トイの原型や、ほかショップ&メーカーなどから過去作の限定リリースなどで名前を聞くことがあっても、自身としての新作などの活動が鳴りを潜めていた印象があるソフビ界の老舗メーカー・ベアモデル。ところが近年まるで息を吹き返してたかのように、次々と新作を発表している。1990年代後半のホビーブームから活動を開始し、独特のセレクションで、その後のソフビ界の一端を支えてきた老舗メーカーのこうした活動は、ずっとソフビ界を見続けてきたソフビ者としてはうれしいのでは!? そんなベアモデルに久しぶりにコメントをいただいた。

ーーベアモデルさんは最近、リリースが活発ですよね?
そうですね。個人的な話ですが、少し前に体調を崩して入院したんです。無事、退院できた時「やりたいことはどんどんやろう。でないと人生後悔するかも……」と……感じたからです。今まで作りためてた原型をリリースしないと発売の機会を失ってしまう。最近発売した「キングゼミラ」は、もう10年ぐらい原型を寝かしてたんですよ。この「ムササビアン」だって何年寝かしたかな?(笑)。はっきり数えてないけど、ウチは、それぐらいのレベルで原型があと30~50体ぐらい(いやもっと?)あるので、どんどん新作を発売しますよ

ーーそんなに! それらが順繰りにリリースされるの待ち遠しいです!
ちなみに、転売対策も色々取り組み中なので コレクターさんは高値掴みしないようよろしくお願いいたします


ピープロの特撮ヒーロー時代劇『快傑ライオン丸』から第4話「ムササビアン 爆破作戦!!」登場の敵「ゴースン忍者」! 強力な火薬の製法を盗み都爆破を企むのだ! 造形はもちろん成型色など魅力的!

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