- 2025-10-8
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- M1号, TSUBURAYA CONVENTION, ウルトラマンエース, 円谷プロ, 関智一

2025年9月13日〜14日にわたって開催された「TSUBURAYA CONVENTION 2025」(コレクションゾーン)レポート第2弾として、これまでずっと気になっていた人物を紹介! M1号が準備した限定「ヒッポリト星人」のサイン会ゲストとして来場された、声優・関智一氏にインタビューだ! 今や『ドラえもん』の「スネ夫」役でお馴染みすぎる人気声優の関氏だが、円谷プロキャラクターでは人気の「グレンファイヤー」はもちろん『ウルトラギャラクシーファイト』では「ウルトラマンエース」の声を担当。そのことからM1号製「ヒッポリト星人」サイン会への参加となったわけだが、実はM1号と関氏は、もう20年来の付き合いというのだ。造形の祭典「ワンダーフェスティバル」などでのスタートアナウンスや、自ら原型を担当したガレージキットやソフビなども発売するなど、なかなか濃いマニア活動についてご存知のファンも多いはず! そんなマニアなキャリアに、ぜひ1度スポットを当てたいと考えていた。ちょうど今回の「TSUBURAYA CONVENTION 2025」での初M1号サイン会だったことから、イベントやサイン会の感想をメインに、裏メニューとしてM1号との出会いなど、マニアな部分について深掘りさせていただいた。インタビュー中、自身の“オタク道”の原点という海洋堂の名物キャラクター「センム」の愛称で知られる宮脇修一氏の乱入もあり、気になる今後の展開も発覚! またラストには新たな関氏のプロジェクト(?)の存在も明かされ、深いソフビ愛や造形への情熱に加えて、今後の動向が見逃せないインタビューとなりました! そんな関氏のサイン会模様をルポマンガ家・エビ沢キヨミ先生描く関氏と鵜川薫氏のイラストと共にお届けします。
ちなみに今回もエビキヨ先生は鵜川薫氏を直撃! M1号ソフビへの彩色作業について取材させていただいているので、それはレポート第3弾の「エビ沢キヨミのそふび道」をお楽しみに!
Ⓒ円谷プロ

〜プロップからソフビ愛へ! M1号、そして造形の原点となった海洋堂~
関智一氏Interview
ーー本日の「ヒッポリト星人」サイン会、お疲れ様でした。関さんといえば、M1号さんと随分長いお付き合いだと聞いてます。今回はそんな関さんとM1号さんとの繋がり、そしてソフビの魅力についてのお話もうかがえればと思ってます。まず今回のイベントの感想をお聞かせください。
今回のサイン会では「ヒッポリト星人」の彩色は鵜川さんが担当されていますが、私が『ギャラクシーファイト』などで「ウルトラマンエース」の声も担当した縁で参加させていただきました。もともと今日は『ウルトラマンゼロ』のイベントなどもあり、朝からそちらで司会もしていたんです。出演するだけじゃなく、お祭り全体の雰囲気も楽しみたかったのでショーの会場とコレクションマーケットと今回は両方の雰囲気を味わえてとても良かったです。
ーー「TSUBURAYA CONVENTION」への参加は今回が初ですか?
いえ2年前も参加させていただいてます。あの時は声を担当した「グレンファイヤー」で、サイン会や写真撮影もしました。先ほどのサイン会の舞台でもお話しましたが、ぼくは円谷プロさんに限らずヒーロー作品が好きなので、様々なヒーローを応援しています。中でも『ウルトラマン』、特に円谷プロさんのシリーズは、お客さんもスタッフも、本当に『ウルトラマン』が大好きな人たちが多くて、みんなで「ウルトラファミリー」というか、そういう温かくて情熱的な雰囲気があって、そこがとても好きなんです。
ーーそんな関さんですが、以前からM1号さんと親交があるとうかがってます。改めて西村さんとの最初の出会いは、いつどのような感じだったのでしょうか?
「ワンダーフェスティバル」会場で、なべやかんさんと初めてお会いした時、「ヒーロー好きですよね?」という話からM1号の西村さんを紹介していただいたのがきっかけです。ぼくは当時、ソフビをまだ集めていなくて、どちらかというとプロップに興味があったんですね。すると、やかんさんから「すごい人がいるから紹介します」と引き合わせていただき、西村さんから「一度、遊びに来てください」と誘っていただいて、M1号へお邪魔したのが最初です。
ーー具体的にいつ頃ですか?
もう20年前ぐらいですね。西村さんは優しくて、ご存じの事はなんでも教えてくれました。そこからちょこちょこお電話したり、お言葉に甘えて遊びに行ったりと、仲良くさせていただいています(笑)。
ーー最初はプロップだったんですね。
そうですね。もちろん西村さんがM1号でソフビをたくさん発売されているのは知ってましたが、怪獣ソフビを集め始めるとキリがなさそうだなと思って……。まずはプロップのことを色々教えてもらいました。僕は本当に初心者だったので「プロップって、こういう世界なんだよ」っていう、初歩の初歩から教えてもらった頂きました。僕にとって西村さんは師匠です。ただ途中からソフビも集め始めるんですよ。プロップは中々集められませんが、ソフビは集めやすいですからね。
ーー確かにそうですね。ソフビはやはりマルサンやブルマァクですか?
若い時は「リアル造形じゃないと良くない」って思ってたんですけど、だんだんレトロソフビが「かわいいな」と思うようになって、まずヒーローモノから集め始めるようになるんです。ポピーやブルマァクの「面取れ」や「ミサイル発射」、増田屋の「トーキング」とか、だいぶお金使いました(笑)。
ーー関さんは基本的にヴィンテージですか? 復刻版とかではなく?
そうですね。でも復刻モノも最近は買ってます。
ーーそれは怪獣ソフビですか?
怪獣ソフビは、本当に「この怪獣が好きなんだよな!」っていうのをピンポイントで買っていますね、ただ今になって怪獣ソフビに興味が出てきてしまって……西村さんと出会った時期から買っておけばよかったと思ってます(笑)。
ーー今は完全にハマってしまったんですね。
そうなんですよ。ヒーローに限らずね。だから怪獣ソフビは極力セーブしていますがタイミングが合えば手に入れてる感じですね。
ーー傾向的には……例えば『ウルトラQ』モノだったり『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』だけとか?
どの『ウルトラマン』もいいんですけど、やっぱり折々見返すと、やはり最初の「初代ウルトラマン」が何だかんだ面白いってなりますね。ぼくは世代で言うと『ザ・ウル』『80』なんですけど、『ウルトラマン』は、最初期に誕生した巨大ヒーローでありながら、SF要素はもちろん、哲学的なテーマや、おとぎ話のようなストーリーまで扱っていて、各話がバラエティに富んでいて全然飽きません。全体を、どこか優しい雰囲気が包み、夢を見ている感じと言いますか。もう1作目にして完成されてるみたいに、個人的には感じています。でも、全部好きです(笑)。

ーー確かに。あと関さんといえば「ワンダーフェスティバル」でご自身が原型をやられたガレージキットやソフビが販売されています。造形を始めたきっかけは何だったんですか?
小学校の同級生なんですが、フィギュア好きな友達がいるんですが、小学生の時、近所に海洋堂さんの「ホビーロビー」ができて、彼に連れて行ってもらったんです。そこで「プラモデル」ではない「『ガレージキット』という世界があるんだ!」と知って、当時は、まだそこまでブームじゃなかったので、お店もゆったりしてて、近所の子供が遊びに来たら「造形、教えてあげるよ」みたいな感じだったんです。「粘土買っておいで」と言われて、そこで原型の作り方をレクチャーしてもらったのが最初なんです。
ーーもう小学生の時からなんですか!?
そうです……80年代の初め、海洋堂も初期の頃……ちょうど「仮面ライダー」や「ゴジラ」、『カリオストロの城』のガレージキットとか発売されていたころですね。
宮脇(乱入) 今、関さんが海洋堂の話してるで!
(宮脇さんをみて)本当に宮脇さんの海洋堂がなければ、ぼくのこの「オタク道」は始まらなかったんで。
宮脇 茅場町の海洋堂ギャラリー時代の話やね
あそこから始まってます。
ーー貴重なお話ですね! そういえば海洋堂さんといえば今ちょうどソフビレガシーとして過去の貴重なソフビキットを復刻していますね。
宮脇 「レガシー」と名付けたのは古き良き遺産という感じの言葉が良いなと思ったからです。ただし新しいものもどんどん作りますけどね(笑)。
「ソフビレガシー」とは別ですけど、近頃、海洋堂さんのマスコット・シリーズを再び手に取る機会があって、とても懐かしかったです。
宮脇 マスコットといえば、昔はリアルな造形原理主義的な部分が強かったけど、2周回った今「マルサンさん、ブルマァクさんのデフォルメな造形も味わいがわかるわ」ってなって……「大人になったぞっ!」って(笑)。そういえば今度の「ワンダーフェスティバル」で関さんが造形したガレージキットを復刻しますよ!
以前、海洋堂さんがワンフェス限定で販売してくれた「ウルトラマンレオ対ブラックギラス」を再販復刻してくださるということで。今見ると、ちょっと恥ずかしいですが(笑)。
宮脇 そこで造形の話とか「関智一、大いにフィギュアを語る」というメインステージもありますから! ちょっとした造形の歴史を語れるんじゃないですか? 関さんに怪獣造形もしてもらってね。デジタル造形なんかされへんでしょ? アナログで粘土の方が?
ぼくはアナログ造形ですね。
宮脇 ですよね。アナログ造形は指先力から生まれてくるものがありますから!
ーーありますよね。ぜひ関さんの造形教室もやってほしいです。ではお時間もあるので最後にひと言いただければと思います。
そうですね……一時ちょっと挫折してあまり造形してなかったんですけど、この間、縁あって「『サラリーマン』(※若手局アナ監督と豪華声優陣で贈る会社員ヒーロードラマ『空想労働シリーズ サラリーマンBLACK』)のソフビを作りませんか?」というお話をいただいて久しぶりに造形したんです。ソフビになって手元に届いた時、やっぱうれしくなって「また作れる機会があれば、挑戦したいな」と思うようになりましたね。また何か造形出来ればと思ってます(インタビュー中、横にいた西村さんを見て)「チームカオル」っていうんですよね?
ーーそれは何ですか?
ぼくが原型して、M1号さんでソフビ化の作業をお手伝いしくださるという、企画が整いつつあるんです!
西村 まだ「チームカオル」としか言えない……(笑)。
ーーえー気になりすぎます! では続報を待ちますね! 本日はお忙しい中ありがとうございました!
(2025年9月14日/「TSUBURAYA CONVENTION 2025」(コレクションゾーン)M1号ブースにて収録)

■関智一Profile
せきともかず●声優、舞台俳優、歌手、マンガ原作者。東京都江東区深川出身。アトミックモンキー名誉会長、同社所属。劇団ヘロヘロQカムパニー座長。日本芸術専門学校特別講師。代表作『ドラえもん』スネ夫、『鬼滅の刃』不死川実弥、『呪術廻戦』パンダ、『キン肉マン』ラーメンマン、『ねこに転生したおじさん』社長ほか。全スーパー戦隊展応援隊長。
X @seki0908 Instagram@sekitomokazu YouTube「セキトモランド」@sekitomo































