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プレックスが仕掛けるソフビの新潮流――「本物」へのこだわりと飽くなき挑戦!! プレックスinterview

もともと玩具&デザインのプロフェッショナル集団として、独自の立ち位置を築いてきたプレックスだが、イベント出展時のブースを見るたび、見逃せないシリーズが毎回増えている印象が強いのは、sofvi.tokyoのレポートでも紹介している通り!  どちらかといえばこれまでほかメーカーとのコラボレーションがメインだったのに対して、1970年代後半におもちゃメーカー・ポピーが展開した[グレートザウルス]をプレックス自身でスタートさせるなど、最近はコラボレーションはもちろん自身の企画開発で圧倒的な存在感を放ち、ソフビ界の台風の目的な存在としてソフビ好きを熱狂させる数々のシリーズを連発するプレックス! その戦略と裏側にある熱い想いについてソフビ開発担当を代表し企画営業部D氏にお話をうかがった!
インタビュアー/sofvi.tokyo編集長・そふび道
※今回のインタビューに合わせた「エビ沢キヨミのそふび道(超番外編お尋ねシリーズ)③」もあるので、そちらもぜひ!

1. プレックスのソフビへの取り組みについて

ーー最近のプレックスさんは、アーティストコラボレーションや、かつてのポピーからの復刻系まで、ソフビの展開が非常に多角的で勢いを感じます。改めて、プレックスが取り組んでいるソフビへのスタンスを教えてください。

プレックスはもともとバンダイの企画デザイン部門から派生した会社で、グループ内でも「デザイン」と「企画」に特化したプロ集団なんです。そんな私たちがソフビで目指しているのは、大手メーカーが拾いきれない「隙間」にある熱狂的なニーズに応えること! 自社で全てを完結させるのではなく、例えばエクスプラスさんやアート・ストームさんのような、卓越した技術や深い知見を持つ「協業パートナー」の各メーカーと手を組み開発と販売の両面で協力し合うというスタイルをとっています。パートナー企業の独自の流通を邪魔せず、プレックスのプレミアムバンダイ内にあるショップ・マルピーガレージやイベント出展といったプレックス独自のルートを上乗せすることで、キャラクタービジネスをより大きく、そして深くしていくことが我々の使命だと考えています。

2. 各シリーズの始まりとこだわり

ーー最近の「ワンダーフェスティバル」でのブースを拝見していますが、ソフビ系のシリーズの並びがすごいですよね! この1年の増え方は尋常じゃないと感じています。そんな現在展開している各シリーズについても詳しく伺いたいです。まず個人的にとても気になっている[バイナルアーカイブスプロジェクト]はどういった経緯で始まったのでしょうか?

きっかけは栃木県にあるバンダイミュージアムです。展示品のなかに貴重な玩具が数多く残っていることに気がつきました。近年、昭和期の玩具に注目が集まっていることもありましたので、「これは今こそ復刻すべきだ!」という確信から始まりました。そこで古いおもちゃに精通しているアート・ストームさんとタッグを組むことで、当時を知るソフビ好きの方にも納得していただける「説得力のある復刻」を目指しています。


受注中の「バイナルアーカイブスプロジェクト ポピー復刻版せいぞろい秘密戦隊ゴレンジャーハリケーンセット」

ーー『ゴジラ』や『ウルトラカイジュウ』などの「バイナルアート」シリーズはどうですか? どれもアーティストの個性が光るラインナップですよね!

これは「ワンダーフェスティバル」などのイベントで活躍されている個人のアーティストや個人メーカーさんと、我々スタッフのソフビ見識者との出会いから始まっています。イベントでは当日ライセンスというシステムがありますが、個人アーティストやメーカーさんたちには「1日ライセンスだけでなく、もっと広く自分の作品を届けたい」という想いがありますよね。そんな想いと我々プレックスとの「キャラクターの新しい解釈を提示したい」という狙いが合致したことによる結果です。そこでの選定基準は、技術はもちろんですが、何よりそのキャラクターを「本当に分かっているか! 愛しているか!!」という魂の部分を重視してタッグを組ませていただいています。

ーー中でも[ヒーローズ・バイナル・アート]がとても気になっています。

これはすでにP.P.PUDDINGさん原型の『秘密戦隊ゴレンジャー』などイベントで発売済みですし、ピコピコさんの『仮面ライダー』など原型をお披露目しています。このラインはまた復刻とは違った、今の技術と当時の熱量を掛け合わせたものを出していきたいと考えています。

ーーそしてこれも個人的に気になっていました。ロボットソフビ好きが待ち望んでいた[ガンダムレトロソフビコレクション]もいよいよ始動しますね。

お待たせしました(笑)。現在、世界的なレトロソフビブームの中、「ガンダム」のレトロソフビ化の企画は以前からありましたが、ようやく5月から本格的な受注がスタートします。まずは「ガンダム」で「テレビ版カラー」「リアルタイプ」「G-3」、そして作品放映時の『ガンダム』のおもちゃを意識した「レトロトイ風カラー」の展開などを考えています。ゆくゆくはイベントブースで原型を展示した「ガンキャノン」など、劇中「V作戦」が展開できるよいうにしたいと考えています。

3. プレックス発の新ブランド「ODENZ(オデンズ)」

そんなシリーズの中、ぜひ紹介したいのが「ODENZ(オデンズ)」というブランドです。これはプレックス内部のデザイナーたちが、有識者の意見やトレンド、技術を詰め込んで「自分たちの技術とアイデアで今までにないものを」と、デザインから造形(原型)まで自社で行っているプロジェクトなんです。特徴は、玩具に用いられる特殊な転写技術を採用し、まるで水墨画のような彩色を実現させています。ODENZが手掛けるモノづくりは、これまでのソフビの常識に「玩具的な驚き」を加えたアートソフビの具現化です。


転写技術によって太もも部分に施された彩色に注目!

4. 「グレートザウルス」への熱きリスペクト

ーーお話を聞いていると、どのシリーズも現行ソフビ界とプレックスさんのソフビ好きなスタッフが関わりを持つことで自然とそういう流れになりタイミング良く今につながってきたという感じなんですか?

まさにそんな感じですね。

ーーなるほど! そして今回のインタビューの目玉と言いますか、1番お聞きしたかったのが[グレートザウルス]のスタートです。東宝怪獣はアート・ストームさんと展開されていましたが、「ウルトラ」系はプレックスさんのみでの展開ですよね。その理由を教えてください。

グレートザウルスの東宝怪獣発売以降「ウルトラ怪獣も復刻を!」とのお客様からのご要望に、スピード感をもってお答えするために、東宝シリーズとは平行して開発しています。合わせてウルトラ怪獣のラインでは、ソフビアーティストコラボも積極的に行うなど、新しい試みをプレックスが中心となってプロデュースしていきます。

ーー怪獣ソフビといえば1960年代のマルサンに始まり、1970年代はブルマァクという王道の流れがありますが、この[グレートザウルス]というシリーズにはまた違った趣がありますよね?

はい、そこに関しては我々の中で明確な定義があります。マルサンさんやブルマァクさんは「怪獣と友達になろう」というかわいらしさだったのに対して、我々が受け継ぐ、大きなサイズの[グレートザウルス]など、1970年代後半にポピーが展開していたスタンダードサイズの[キングザウルス]シリーズの流れは「怪獣に憧れよう」と考えています。つまりここでは「かっこいい怪獣」を目指しているんです。

ーー確かにブルマァクは怪獣がお友達でした! なるほどこのシリーズは「カッコいい怪獣」なんですね!!

はい。[キングザウルス]や[グレートザウルス]の特徴であるエッジが立っていて、メタリック塗装で、力強さやちょっと怖さもある感じですね。当時のポピーならではの、ヒーローイズムを怪獣ソフビにも落とし込んでいるんです。

ーー今回の[グレートザウルス]では「ウルトラマンティガ」や『ティガ』第1話登場怪獣「ゴルザ」を新規造形でラインナップされてますよね。これには驚きましたし、今後シリーズへの期待がものすごく膨らみました!

ポピーの[キングザウルス]は1978年から2年くらいで展開が終わってしまった短いシリーズだったんです。ただ「もしあのまま続いていたら……」という「if」の世界を今回は具現化したいと考えた展開なんです。新規原型は、[キングザウルス]をオマージュした未発売怪獣を展開している作家・LEOそふび坊やさんに「ゴルザ」を、独自に怪獣ソフビを展開中のマーべリッククリエイトさんに「ティガ」をお願いしています。それぞれには当時のシリーズへのオマージュとして、円谷プロさんに提供いただいた足型データやポピー刻印を入れる予定で、シリーズらしさを細部まで再現すべく徹底的にこだわって制作しています!

ここでデザイン&新規造形のLEOそふび坊や氏とマーべリッククリエイトからそれぞれコメントをいただいたので紹介しよう
■「グレートザウルス ゴルザ」デザイン&原型・LEOそふび坊や氏interview

ーーまず今回のプロジェクトに参加した経緯を聞かせてください。

ぼくの幼いころは、おもちゃ屋の店頭をポピーの[超合金](合金ロボ玩具シリーズ)、[ポピニカ]( アニメ&特撮作品の劇中に登場するメカなどを精巧にミニカー化したシリーズ)、[ジャンボマシンダー ](全高約60cmを超える圧倒的なサイズのポリエチレン製巨大ロボット玩具シリーズ) 系が華やかに飾られており、ソフビは、ヒーローやロボットのミニソフビが主流でした。それはそれで大興奮ですが、ブルマァクの怪獣シリーズもすでに店頭から消え、いわゆる「怪獣ソフビ」がほぼない時期だったんです。そこに第三次怪獣ブーム(1970年代末より1980年代前半)が始まり、ポピーから[キングザウルスシリーズ][グレートザウルスシリーズ]が雑誌やCMで「新発売」と告知され「待望の怪獣ソフビが出る!」と驚愕しました。当時、夏休みの日記に[キングザウルス]シリーズを買ってもらったことを記録しているほどうれしかったのです。手に持った感想は「でかい!」でした。いわゆるスタンダードサイズ(ブルマァクは全高約23cmほど)のソフビを買ってもらう機会が無かったことや、ポピーのミニソフビ(全高約8〜10cnほど)に触れ合う機会が多かったため、全高約16cmの[キングザウルス]シリーズを「大きい」と感じたのです。[グレートザウルス]は尚更です。

当時[キングザウルス]シリーズに付いている怪獣の足形シールを20枚集めてポピーに送ると『怪獣大図鑑』がもらえました。これを目標になんとか20枚達成して手に入れるのですが、そこに載っていた「[キングザウルス]のできるまで」という見開きページ「どんな怪獣を作るかを決める企画会議とか原型をロウで作る人とか……」の内容にとても心を揺さぶられたんです。

ここで現在のお話になりますが、ぼくは当時の[キングザウルス][グレートザウルス]で販売されなかったキャラクターの「補完計画を進めよう!」と活動を行っています。そこにポピーの歴史を受け継ぐプレックスさんから「[キングザウルス][グレートザウルス]シリーズをやりませんか」と、今回のお話をいただいたんです。後日、打ち合わせに伺うと、僕とほぼ同世代のプレックスご担当者と当時の話に花が咲き、[キングザウルス]&[グレートザウルス]で光り輝くような思い出をお持ちの方だったのです。
そして、僕もまた、あの『怪獣大図鑑』に載っていた「キングザウルスのできるまで」を思い出し「今『[キングザウルス][グレートザウルス]を作る側』になっている!」と確信したこの時に「引き受けよう!」と決めたのです。

ーー改めて[グレートザウルス]の魅力について聞かせてください。

躍動感と質感にワイルドさが溢れています。デフォルメが効きつつも、玩具的な調和が保たれており、話しかけてくるような親しみを感じます。勢いのある塗装もすばらしいです。全体を通して昭和アナログ造形の魅力を引き出しているソフビシリーズです。

ーー新たに『ウルトラマンティガ』の「ゴルザ」のデザイン&造形するとき気をつけたことを教えてください。

キャラクターの特徴はしっかりと捉えつつ[キングザウルス][グレートザウルス]シリーズに見られる一定の法則を活かして当時のモノと並べた際になじむように作ることを考えております。パーツ構成も可能な限り当時のモノ(4〜6パーツ)に近づけたい思いがあります。複雑なディテールの怪獣ほど落とし込むことが難しいのですが、ありとあらゆる方法でチャレンジしております。
(2026年5月10日/メールにてインタビュー)

■「グレートザウルス ウルトラマンティガ」デザイン&原型・マーベリッククリエイトinterview

ーー「ウルトラマンティガ」の原型作成時に気をつけたこと、こだわりポイントなどあったと思います。それらをぜひ教えてください。

原型製作で「ウルトラマンティガ」は90年代のコスチューム設計なので、20年前の「ウルトラマン」と比べると、よりシャープな印象があります。[グレートザウルス]特有の丸みのある体型をうまく再現しつつ「ティガ」らしい現代的な雰囲気を融合させることを意識しました。またこだわりポイントですが、[グレートザウルス]の「ウルトラマンシリーズ」には、太腿が太く、全体的にマッチョな体型表現が見受けられます。これは、60年代から80年代の昭和に大流行していたプロレス文化の影響も大きいのではないかと感じています。また言うまでもなく「ティガ」と言えばやはり頭部の情報量です。鋭い目つきや独特な耳の形状は、多くの人が思い浮かべる「ティガ」らしさであり、昭和「ウルトラマン」との差別化にもなっていると思います。

ーー改めて1970年代末に展開した[グレートザウルス]への思いを聞かせてください。

[グレートザウルス]の怪獣シリーズについては、子供の頃から、その凸凹とした皮膚表現や力強いフォルムに強く魅了されました。
「ウルトラマン」シリーズに関しては、サイズ面において従来のブルマァク製のジャイアントサイズ(全高約30cm)を引き継いでいると考察しています。当時の「ウルトラマン」関連商品としては、店頭用ディスプレイを除けば、サイズ的には頂点だったと思います。
さらに造形面では、他社製品とは一線を画していました。従来のおもちゃ然としたドール的な造形から、よりリアルでスーツに近い造形表現へと切り替わっています。当時の自分や同世代の子供たちは、『ザ☆ウルトラマン』まで展開されたその新鮮さにワクワクし、強い関心や期待を抱いていたはずです。
(2026年5月11日/メールにてインタビュー)

5. 今後の展開

ーー各シリーズの今後について、言える範囲で教えてください。

[グレートザウルス]の新規造形は「ゴルザ」を以降も続々とラインナップを増や酢予定です。ほかにもまだまだ発表できないプロジェクトが山ほど控えています。「こんなものまでやるの?」という驚きを常に提供し続けたいですね。

6. ソフビファンへのメッセージ

ーープレックスさんがメーカーとして、今後のソフビ界に新たなうねりを起こしてくれるような展開はソフビ好きとして非常に心強いです。最後に、ソフビを愛する皆さんに熱いメッセージをお願いします。

プレックスは、実は社員自身がソフビコレクターだったり、キャラクターへの深い愛を持った有識者の集団です。単なる商業ベースのモノづくりではなく、自分たちが「本物だ」と信じられるものを世に送り出したい。皆さんの思い出や憧れを裏切らない、魂の入ったソフビを作り続けます。5月以降、マルピーガレージや公式SNSなどで、今後どんどん情報を出していくので、これからのプレックスの展開にぜひご注目ください!
(2026年4月28日プレックスにて収録)

■インタビュー後記
今回のインタビューは注目の[グレートザウルス]をメインに、現在プレックスが抱えている多くのシリーズについて駆け足でお話をうかがった。そこで感じたことはプレックスのソフビの躍進の裏には、一般メーカーとしての組織の力だけでなく、そこにいるスタッフの「好き」を形にする熱量があることを強く感じた。そんな彼らの熱量がソフビ界にどのようなイノベーションを起こしてくれるのか? ざっとお聞きしただけでも相当期待値は高い。間違いなく次代のソフビシーンを牽引する存在としてプレックスからしばらく目が離せないぞ!

Ⓒ 石森プロ・東映 TM & © TOHO CO., LTD. Ⓒ 円谷プロ Ⓒ 創通・サンライズ

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