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[VAG]第28弾についてお聞きしました! 『こぐまのケーキ屋さん』について カメントツ interview


カメントツ
2013年、脱サラしてフリーのイラストーレーターに転身し、
2014年からマンガ家として活動開始。
「オモコロ」「ジモコロ」などのwebメディアで活躍し、
2016年に「カメントツの漫画ならず道」(小学館)連載開始。
2017年に『こぐまのケーキ屋さん』(小学館刊)を
Twitter上で発表し大きな話題を呼ぶ。

【代表取締役社長 赤司竜彦によるキャスティングポイント】
MORRISのコミカライズの件でお会いした時にご自身からリクエストを頂きました。カメントツさんが売れっ子の漫画家さんという認識でしたので逆に良いんですか?と聞き返したのを覚えています。

ーー今回の[VAG]プロジェクトへの参加経緯と感想を教えて下さい。

メディコム・トイさんの「MORRISプロジェクト」に参加させていただいたことがきっかけです。そこでひなた(かほり)さんと赤司(竜彦/メディコム・トイ代表取締役社長)さんと知り合い、この流れから『こぐまのケーキ屋さん』で[VAG]のお話をいただいたんです。もともと[VAG]は好きだったから光栄に思います。本当に作家の意見など凄く汲み取っていただき感謝していますし、メディコム・トイさんの作家ファーストを痛感しました。

ーー[VAG]についてご存知でしたか? シリーズに期待している事などあったら教えて下さい。

フィギュアが好きなので一ファンとして買ってました。特に好きなのがBRIDGE SHIP HOUSEさんや「青鬼」シリーズですね。BRIDGE SHIP HOUSEさんの[VAG]は、キャラクターの持っている強みや愛らしさの中にある毒のような“何か”が立体化されてて、色々あるBRIDGE SHIP HOUSEさん立体の中でも[VAG]がすごくお気に入りです。ちょうど手のひらに収まるサイズもかわいくて好きです。「青鬼」は「青」というキャラクターの制約からカラバリが難しいと、一ファンとして思ってましたが、メディコム・トイさんや作家さんの“想い”みたいなモノがすごく伝わるソフビになってたと思います。[VAG]は「東京トガリ」などネット発のキャラクターなど新しく生まれた文化から素早く立体化しています。本当にノンジャンルで色々なアーティストに関わっている事を、今回の参加で本当に感じましたね。

ーー今回[VAG]が『こぐまのケーキ屋さん』になった理由を教えてください。

「MORRISプロジェクト」のコミカライズ企画に参加した時、ひなたさんが凄く『こぐまのケーキ屋さん』を好きでいてくれたり、赤司さんも私が『こぐまのケーキ屋さん』の作家であることを知っていてくださったので、話がスムーズだったんです。やっぱりカメントツ=『こぐまのケーキ屋さん』を理解していただいてて単なるかわいいだけではないキャラクターという部分を汲み取っていただけた気がしました。凄く好きでファンだった会社、好きなシリーズを作った人、関わっていたスタッフさんたちが作品を読んでファンでいてくれたという相互関係が作れたので、自分は幸せな作家だと思いましたね。

ーー改めて『こぐまのケーキ屋さん』のキャラをデザインされた時のこだわりや、コンセプトなどを教えて下さい。

『こぐまのケーキ屋さん』の「店長」は、生きているキャラクターであり、かわいいだけではない存在として見てほしい思いがあったので、牙や爪があることが“良さ”だと思っています。あどけなさの中にも、例えば子供が持つ何かを突きつける凶悪性などを感じてほしいので、それは意識して描いてますね。

ーー今回はそれが立体化されました。作者として原型製作にこだわった造型ポイントなどあれば理由と共に教えて下さい。

私は小さい頃からソフビが好きで、特に「ウルトラシリーズ」の怪獣などに触れてきました。ソフビには、かわいらしさの中に“何か”を持っているキャッチーさみたいな強さがあると思っています。『こぐまのケーキ屋さん』にも、単にかわいらしい[VAG]ではなく「どこか怪獣っぽさみたいな部分も表現できればサイコーだな!」と思い監修させていただきました。

ーー今回は5色あります。色決めの基本コンセプトと、色バリエーションの理由を教えて下さい。

私は「シルバニアファミリー」「レゴ」など人形遊びが好きな子供だったんです。そういうおもちゃで遊んできた人間からすると、カラバリは色が変わっただけじゃない。実際に遊んでもらう人たちに、この「こぐま」はこういう性格?」などのバックボーンを想像してもらえるよう、意外性のある配色にしてみました。これまで立体化された「こぐま」はアースカラーで表現されることが多かったんですが、それとは違いますね。原稿では肌色に近いオレンジなので、今回はビビットな色を意識して、それぞれ性格を乗せやすいよう「裏こぐまのケーキ屋さん」みたいなイメージを感じてもらえれば素敵だなというカラー。原作とは違うカラーの怪獣ソフビだったり、毒々しいソフビのカラー。そんなカラーイメージの中からチョイスさせていただいた感じです。個人的に今回を逃すと絶対にやらない配色だと思うので、ぜひここでしかない『こぐまのケーキ屋さん』をみなさんに見せれたら!という思いでチョイスさせていただきました。

ーー実際にソフビサンプルを見た時の完成への手応えなど聞かせて下さい。

個人的にはすごく満足しています。ある意味[VAG]らしい……[VAG]ファンの自分からして、とても[VAG]っぽいテンションの造形や色合いで作れたという反面『こぐまのケーキ屋さん』らしくない造形……例えばニコッと歯をむき出しにしている感じとか、少し怪獣っぽさみたいな所を提供できたのが大好きです。『こぐまのケーキ屋さん』は、かけ網というマンガテクニックを使っているので、立体化しにくいキャラクターなんです。そういう難しさを乗り越えて造形は「こぐま」を丁寧に表現していただいた所が本当に幸せだし、作品へのリスペクトを感じてありがたいです。やっぱり自分の好きなモノに関われるチャンスをくれた「こぐま」をずっと応援してくれている、読者の方々にとても感謝を感じます。こういう立体は“思い”だけでは辿り着けない領域だと思いますから本当に色んな所に足を向けて寝られないという感じです。

ーー[VAG]はすでに何シリーズも展開しています。これまでの各シリーズに対してプレッシャーなどありましたか?

社会的に波及していたり、人気のあるモノが参戦するラインナップや、逆にインディペンデントで個人的な作品をメディコム・トイさんが掬い上げる様々な文脈の[VAG]があったと思うんです。『こぐまのケーキ屋さん』はマンガで、アニメ化もないビミョーな立ち位置のキャラクターです。それが[VAG]になる意味だったり、そのキャラクターが[VAG]の中で、どういう活躍をするのか? ガチャガチャに入って店頭に並んだ時にどういう存在感を放つのか? 個人的に楽しみですし、一抹のプレッシャーをすごく感じています。個人なら自分自身の問題で片付きますが、造形作家さん、メディコム・トイ社員さんたちなど、色んな人たちの“想い”が乗って出力されている部分が自分へのプレッシャーになってくるんでしょうか?

ーー今後またシリーズへの参加意欲などあれば聞かせて下さい。

『こぐまのケーキ屋さん』がファンシーキャラクターだから、また違うバリエーションで参加させていただけたらうれしいですね。今、私が参加しているコミカライズの「MORRIS」も色んなキャラクターやラインナップとコラボレーションしてるので『こぐまのケーキ屋さん』もそういう企画に携われたら幸せです。小学館作品であり、私の作品であり、メディコム・トイさんのひとつのブランディングだったり、そう認識してもらえるほど「こぐま」ががんばってくれたらうれしいです。あと「リュックサック」を背負ったり、帽子が色々変わったりするバージョンや『こぐまのケーキ屋さん』に出てくる色んな動物キャラクターたち、コミカライズで私がデザインした「MORRIS」もいつか[VAG]で作れたらうれしいです。

Qーー最後にファンへのメッセージをお願いします

『こぐまのケーキ屋さん』も連載4年めぐらいですか? 小学校1年生の読者から最近もらったファンレターに「小さい頃に読んでました!」みたいな……いや、まだ小さいだろう!(笑)。7歳だったら、自分が少し大人に近づいたって認識するぐらい年が経ったわけです。『こぐまのケーキ屋さん』は、雑誌でもなく、最初は原稿料もなく、そういう中で応援してくれた人たちのおかげで、立体化されガチャガチャになったりして、色んな場所に辿り着けている実感があります。この記事を読む『こぐまのケーキ屋さん』の読者も、この作品が色んな方向に進んでいると感じてる。私はマンガを描いているだけですが『こぐまのケーキ屋さん』を遠くに運んでくれるのは、読者やグッズを手に取ってくれる人たちの力だと思うので、今回はいつもと少し違う「店長」を手にして「なんか「店長」は、こんな感じのお仕事もしてるんだな……こういう形の表現もあるんだ……」という私の、そして皆さんの力で辿り着けた『こぐまのケーキ屋さん』を、これからも応援していただければうれしいと思います。

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